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死生学特殊講義Ⅷ

ケアの倫理
 臨床や教育、また日常の至る場面において、ケアの重要性が盛んに指摘されている。にもかかわらず、その内実は十分には吟味されていない。こういった現状を踏まえ、現代倫理の鍵概念となった「ケア」について、その複雑さと困難さを尊重する仕方で、批判的に考察していきたい。
 より具体的には、英語圏で1980年代以降に登場してきたケアの倫理(Ethics of Care)においてケア、またそれらの概念と不可分な、ニーズ・応答責任(responsibility)・脆弱性(vulnerability)・依存性(dependency)・受容性(receptivity)といった概念が、どのようなものとして捉えられてきたのかを検討する。とりわけ、ケアの倫理の代表的な論者であるキャロル・ギリガン、ネル・ノディングズ、エヴァ・キテイの議論を丁寧に見ていくことで、人間の傷つきやすさと依存性を根本に据えるケアの倫理が、主流の倫理学(もちろん一枚岩ではないが)に対して、どのような独自の貢献をしうるのかを考察したい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04200048
FLE-HU4202L1
死生学特殊講義Ⅷ
早川 正祐
A1 A2
木曜4限
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教室
法文1号館 312教室
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
おおよそ以下のように進める予定である(進度等によって多少の内容の変更はありうる) 第1回 導入――ケアという言葉について 第2回 行為論におけるケア概念(1):持続的なコミットメント 第3回 行為論におけるケア概念(2):感情と知覚 第4回 ギリガンのケアの倫理(1):道徳的思考の二つの様式 第5回 ギリガンのケアの倫理(2):ケアの倫理における責任概念 第6回 ギリガンのケアの倫理に対する批判的検討 第7回 ノディングズのケアの倫理(1):人間の受容的な存在様式 第8回 ノディングズのケアの倫理(2):権利に先立つものとしてのニーズ 第9回 ノディングズのケアの倫理(3):ケアの空間論へ 第10回 受容性の概念を批判的に拡張する 第11回 キテイのケアの倫理(1):人間の依存性を踏まえて平等を捉え直す 第12回 キテイのケアの倫理(2):人間の脆弱性を中心に据えた責任概念へ 第13回 キテイのケアの倫理(3):拡張された脆弱性モデル
授業の方法
基本的には講義形式で行うが、必要に応じてディスカッションを行う。
成績評価方法
授業への参加度(簡単なリアクションペーパー等を含む)と期末レポート
教科書
特になし
参考書
・Harry Frankfurt, The Importance of What We Care about (1988), The Reason of Love (2004) ・Carol Gilligan, In a Different Voice (1982)=『もうひとつの声―男女の道徳観のちがいと女性のアイデンティティ』(川島書店) ・Nel Noddings, Caring: A Feminine [Relational] Approach to Ethics & Moral Education (1984)= 『ケアリング―倫理と道徳の教育 女性の観点から』 ・Nel Nodding, Starting at Home: Caring and Social Policies (2002) ・Eva Feder Kittay, Love’s Labor: Essays on Women, Equality, and Dependency (1999)=『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』(白澤社) ・Martin L. Hoffman, Empathy and Moral Development: Implications for Caring (2001)=『共感と道徳性の発達心理学―思いやりと正義とのかかわりで』(川島書店)
履修上の注意
特になし