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最終更新日:2024年4月22日
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文化資源学特殊講義ⅩⅢ
モノを見る、モノから考える―日本中世の史料を素材として―
歴史学の基礎となる史料をどのように解析するのか、ひとつの史料には、どれほどの情報が含まれているのか。従来歴史学では、古文書を中心にして内容を検討し、その内容を伝えるために機能的に定式化された古文書の様式論を鍛えてきた。しかしながら、古文書を含めた史料をモノ(物質的存在)として見た場合、モノを構成する要素はもっと多様である。紙・墨色・字体・筆跡・花押・印章・図像など、そしてこれらの史料が作成された場(物質的環境)にまで想像をふくらませると、さらに知りたい情報は増えてくる。そして、研究素材としての史料の範囲も広がっている。この豊かな可能性を含んだ史料から、いかに多くの情報を引き出せるか、いかに史料が生み出された時代の場を復元できるか、モノとしての史料解析の総合的な視点を得る試みをしてみたい。
ところで、史料編纂所において、モノとしての史料に日々向き合っているのが、技術部史料保存技術室である。技術室はスタッフが修補・影写・模写・写真の担当に分かれ、史料の調査・研究・制作などの現場で、研究部と協業・分担して研究業務を遂行しており、こうした協働体制は、全国でも稀有である。モノとしての史料の可能性・総合的な解析視点を得ようとするこの授業では、技術室の実際の業務の現場に臨み、その成果を知り、実際に体験する機会を持つ。それぞれの技術の方法論を学ぶことにより、史料が持つ可能性を認識し、それらを引き出して、より深く史料を読む方法を身につけることを目標とする。
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