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最終更新日:2026年10月16日

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皮膚科学

皮膚科学
あらゆる皮膚病変をどのように把握し、診断・治療に結び付けるかを学ぶことに主眼を置きつつ、疾患の理解・治療方針を立てるために必要な最低限度の基礎知識を習得する。
系統講義ではできるだけ診断・治療へのプロセスを考慮しながら、全ての疾患をわかりやすく理解できるように、まず皮膚の構造・機能を十分に説明した後に下記の重要な疾患につき、講義を行う。内容は学生にとって不可欠なものから、さらに発展したものまでボリューム満点なので、学生は自己学習にも励んでもらいたい。講師は本院の教員のほか、本邦における当該分野の専門家を非常勤講師として多数招いている。臨床実習では発疹学(基本的な発疹の捉え方)の習得を中心とし、皮膚疾患あるいは全身性疾患の皮膚症状の診断プロセス、さらにその病因・病態・治療に関する基本的知識の習得を目標とする。本授業科目は、学位授与方針10項目の1.医学知識に関連した科目である。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
021M2047
FME-ME4c24L1
皮膚科学
柴田 彩
S1 S2 A1 A2
集中
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講義使用言語
日本語
単位
0
実務経験のある教員による授業科目
YES
他学部履修
不可
開講所属
医学部
授業計画
2026年度の授業計画は以下を予定している。なお講義の順番に関しては変更となることがある。 第1回:皮膚の疾患の見方と考え方 到達目標:皮膚の構造と機能について理解し、続く講義内容を理解するに足る知識を習得する。皮疹の状態に関する皮膚科学用語を理解する。全身のなかでの皮膚疾患を捉える。 授業内容:皮膚の構造と機能を図解を交えて解説する。皮疹の成り立ちと、それを表現する皮膚科用語について解説する。さらに、皮膚病変からさまざまな全身疾患の診断へと進む過程にも触れる。 第2回:皮膚腫瘍(上皮系、メラノサイト系)、母斑 到達目標:皮膚癌の臨床症状、鑑別診断、治療法の理解 様々な母斑の臨床症状、治療(手術、レーザー、cryosurgeryなど) 授業内容:カラースライドで実例を示し、目で見てわかるように具体的に述べる。 第3回:全身性疾患と皮膚病変、皮膚治療学 到達目標: 1)全身疾患に伴って生じる皮膚病変(デルマドローム)について知る 2)皮膚科における主な治療法について把握する 授業内容: 1)デルマドロームとは何か 全身疾患と皮膚病変の関係 背景に存在する全身疾患 消化器・循環器・代謝疾患等に伴う皮膚病変を見る デルマドロームとして見られる皮膚病変 皮膚病変を見た時、背景にある全身疾患を考える 2)皮膚科における主な疾患とその治療 局所療法:軟膏外用療法、光線療法、レーザー療法 全身療法:薬剤の全身的使用 第4回:ウイルス性疾患、STD 到達目標:皮膚のウイルス性疾患、STDについて、起炎因子、感染経路と症状、治療について理解する。 授業内容: 1)ウィルスの生物学 ウィルスの生物学的特徴、構造、検査法について知る。 2)皮膚疾患に関係するウィルス それぞれのウィルスによる皮膚疾患の臨床像について把握する。 3)STDの病原体と感染経路、及びその臨床症状、治療法について学習する。 第5回:蕁麻疹、紅斑症、代謝異常症 到達目標:蕁麻疹、紅斑症、代謝異常症についての病態生理を理解し、各疾患ごとの臨床症状や経過を把握する。 授業内容: 蕁麻疹については一般的な臨床症状を示し、病態について解説する。その上で誘因の検索など問診上留意すべき点や治療法などにも触れる。紅斑症については、多型滲出性紅斑や結節性紅斑を中心に臨床及び組織所見を供覧し、臨床上必要な感染や薬剤との関連などを含め解説する。代謝異常症については、糖尿病や甲状腺機能異常などに伴う皮膚症状から皮膚限局性の代謝異常症まで、各疾患の臨床症状や病態生理について基本的事項を概説する。 第6回:色素異常症、皮膚形成異常、萎縮症 到達目標:色素細胞の基本的な機能につき理解するとともに、上記疾患概念に属する基本的な疾患の性格や病態につき理解していく 授業内容:すべての疾患の詳細につき限られた時間にすべてを盛り込むことは困難であるため、なるべく重要と思われる事柄、また、教科書では理解し難いと思われることがらに重点を置いて解説をする。また、色素異常症の分野で東大皮膚科教室の担った重要な役割についても簡単に紹介する。 第7回:湿疹・皮膚炎群、薬疹、紅皮症 到達目標:湿疹皮膚炎群、アレルギ−性皮膚疾患、薬疹、紅皮症の病態、臨床症状、診断、検査法を把握する。 授業内容:湿疹皮膚炎群(貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎など)は、日常診療において遭遇することの多い疾患であり、その病態、鑑別疾患を正確に理解し、治療にあたることが重要である。湿疹皮膚炎の基礎的な概念、臨床症状、診断上の検査法などについて解説する。また薬剤摂取後に生じる薬疹に関して、発生機序、発疹型、原因薬剤、検査法、治療について説明する。また薬疹の重症型であるStevens Johnson症候群(粘膜皮膚眼症候群)、中毒性表皮壊死剥離症(toxic epidermal necrolysis)、Hypersensitivity syndromeなどについて簡単に解説する。 第8回:細菌・抗酸菌・真菌感染症、動物性疾患 到達目標: ①皮膚細菌感染症の種類を列挙し、その発生メカニズムの違いを理解する。 ②結核、ハンセン病の病型の違いを述べることができる。 ③真菌症の種類を列挙し、診断に必要な検査法および臨床的特徴を述べることができる。 ④動物性皮膚疾患の皮膚症状を述べることができる。 授業内容: ①皮膚細菌感染症(毛包炎、伝染性膿痂疹、丹毒、蜂窩織炎、壊死性筋膜炎)の臨床像と病態を解説し、鑑別診断のポイントを述べる。個々の疾患の起炎菌とその治療法を述べる。 ②結核、ハンセン病の臨床像と病理学的所見を解説し、その治療法を述べる。 ③皮膚真菌症の診断・治療に必要な検査法を解説する。皮膚真菌症(白癬、カンジダ症、癜風、スポロトリコーシス、クロモミコーシスなど)の臨床像を述べ、診断にいたるプロセスを解説する。また個々の皮膚真菌症の治療法を述べ、病型による治療法の違いも解説する。 ④動物性皮膚疾患、特に疥癬、毛ジラミ、頭ジラミの症状、診断法、治療法を述べる。 第9回:角化症、炎症性角化症 到達目標:遺伝性角化異常症および炎症性角化症の各疾患の臨床像を把握し、その病因と病態について理解する。 授業内容:臨床写真を提示し、そこで起きている現象について解説する。表皮細胞の分化、角化の過程とその異常について解説し、理解を深める。角化異常症の病態ついてどこまでわかっているかを具体的に提示する。特に乾癬については重点的に解説し、治療についても理解を深める。 第10回:膠原病 到達目標、授業内容:膠原病はKlemperer の提唱(1941)による、原因不明の全身の結合組織を系統的に侵襲し、フィブリノイド変性を呈する疾患群で、全身性エリテマトーデス、汎発性強皮症、皮膚筋炎、結節性動脈周囲炎、リウマチ熱、関節リウマチが含まれる。これらの疾患は皮膚症状を伴うことが多く、しかも全身緒臓器に多彩な症状が現われ、難治の疾患群である。皮膚科領域では、皮疹を主症状とするエリテマトーデス、汎発性強皮症、皮膚筋炎を中心に下記のような膠原病とその類症が挙げられ、皮膚科の立場としては、皮膚症状とその病理学的変化を理解することに始まり、他臓器の症状、自己抗体を含む検査異常を検討し、疾患の診断、治療へと導く考え方が必要である。 主な膠原病とその類症 1.エリテマトーデス 全身性エリテマトーデス、慢性円板状エリテマトーデス、深在性エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、新生児エリテマトーデス 2.強皮症 汎発性強皮症、限局性強皮症 3.その他 皮膚筋炎、重複症候群、混合性結合組織病、乾燥症候群(シェーグレン症候群)、慢性関節リウマチ、結節性多発性動脈炎 第11回:水疱症、膿疱症 到達目標:代表的な疾患の診断と治療を学び、発症機序を理解する。 授業内容:まず皮膚に水疱や膿疱のできる疾患をcommon diseaseを含めてスライドで概説し、水疱症については自己免疫性水疱症と先天性表皮水疱症に分けて説明する。自己免疫性水疱症の中で発症機序のはっきりしている天疱瘡と類天疱瘡に重点をおく。膿疱症は掌蹠膿疱症をとりあげる。 第12回:皮膚腫瘍(間葉系、悪性リンパ腫)、母斑症、肉芽腫症 到達目標: ①主要な皮膚間葉系腫瘍をあげ、その特徴を説明できる。 ②皮膚リンパ腫、特に菌状息肉症の臨床、組織所見、治療を説明できる。 ③母斑症の概念を理解し、神経線維腫症、結節性硬化症を中心に臨床所見を説明できる。 ④肉芽腫症、特にサルコイドーシスの皮膚症状の意義を理解する。 授業内容: ①間葉系腫瘍 1) 良性間葉系腫瘍:線維性組織球腫(皮膚線維腫)、若年性黄色肉芽腫、ケロイド、皮膚平滑筋腫、脂肪腫、肥満細胞腫(色素性蕁麻疹)、血管腫(単純性血管腫、サモンパッチ、イチゴ状血管腫、カサバッハメリット症候群、グロムス腫瘍) 2) 悪性間葉系腫瘍:隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)、悪性線維性組織球腫(MFH)、線維肉腫、血管肉腫、Stewart-Treves症候群、カポジ肉腫 ②悪性リンパ腫 1) 皮膚T細胞性リンパ腫:菌状息肉症、セザリー症候群 2) 皮膚B細胞性リンパ腫 3) 成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL) ③肉芽腫症 サルコイドーシス、環状肉芽腫、顔面播種状粟粒性狼瘡(LMDF) ④母斑症 神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病)、結節性硬化症(プリングル病) スタージ・ウェーバー症候群、クリッペル・ウェーバー症候群、 色素失調症、ポイツ・ジェガース症候群、母斑性基底細胞癌症候群
授業の方法
12回の講義で行われる。全ての授業を対面で施行する予定。
成績評価方法
系統講義の成績評価は、筆記試験により行う。
履修上の注意
真摯な態度で授業に出席すること。12回の講義で扱う範囲は非常に広く、講義で1つ1つ細やかな解説をすることが難しいため、なるべく教科書などで予習をしておくことが望ましい。
実務経験と授業科目の関連性
病院における皮膚科医としての勤務経験を有する教員が、実務経験を活かして皮膚科学について講義する。