次に掲げるトピックを扱うことを予定している。ただし、これらはあくまでも例示であり、受講者の関心等に応じて変更することがあり得る。
1 改正論議をふり返る
演習全体のイントロダクションの意味を含めて、成年後見制度の改正をめぐる議論が何を目指すものであったか、改正によってどのような制度となることが見込まれるかを概観する。
2 平成11年改正をふり返る
改正論議で課題とされた点について、現行法の基礎となった平成11年改正がどのような構想に基づくものであったかを(再)確認する。
3 障害法の展開と民事法への影響
障害法(あるいは、より広く福祉法)の展開が改正論議に対して与えた影響を考察する。
4 保護の「必要性」に着目することの新しさ
改正規定において制度利用の開始要件の中核となる「必要性」の概念がどのような意義・機能をもつかを検討する。
5 制限行為能力とは何か?
行為能力が制限されるということが何を意味するかを民法の体系に即して考察する。
6 事理を弁識する能力を見直す
改正規定においても制度利用の開始要件となる「事理を弁識する能力」がどのような概念であるかを考察する。
7 意思能力を見直す
成年後見制度が見直されることに伴い、意思(無)能力法理がどのような役割を果たすことが見込まれるか、これに関わってどのような課題が生じるかを考察する。
8 取消権・同意権・代理権
本人を保護するために与えられる権能である取消権・同意権・法定代理権が、それぞれどのような意義・機能をもつこととなるかを検討する。
9 日常生活に関する行為、重要な財産に関する行為、保存行為、一身専属的な行為
行為能力を制限された本人またはその保護者がすることができる(できない)行為について考察する。
10 人格に関する事務
身上保護とよばれる問題について考察する。
11 任意後見の契約性
本人の保護という目的に照らして、任意後見契約のもつ契約性がどのような影響を受けるかを考察する。
12 成年後見制度を代替する仕組み――消費者法、日常生活自立支援事業等
成年後見制度と連続的に機能することが見込まれる関連領域の議論を、消費者法や福祉法を中心に考察する。
13 成年後見法に「理論」はあるのか?
演習全体のふり返りとして、成年後見制度に「理論」なるものがあるのかを考察する。