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最終更新日:2025年10月17日
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労働法演習(外国語科目)
ドイツ・EU労働法文献講読
ドイツとEUの労働法に関するドイツ語文献を講読します。
ドイツ語の文法知識があれば望ましいですが、これからドイツ語で労働法を学ぶ意欲のある方であれば歓迎します。
現時点での講読文献の候補は下記の通りですが、参加者の関心に応じて、基本書や他の論文を扱うことも検討します。
候補としていない文献を含め、希望がある場合は、演習志望理由の欄に記入してください。
【講読文献の候補】候補の全てではなく、まずは、いずれか1つを読みます。
①Franzen, Die EU-Mindestlohnrichtlinie 2022/2041, EuZA 2024, 3-21
②Waltermann, Der unions- und verfassungsrechtliche Rahmen rechtspolitischer Maßnahmen zur Stärkung der Tarifautonomie, RdA 2025, 61-70
③Pant, Tarifautonomie und Mindestlohn, RdA 2025, 104-119
④Höpfner, Die Leitlinien zur Anwendung des Wettbewerbsrechts der Union auf Tarifverträge über die Arbeitsbedingungen von Solo-Selbständigen, EuZA 2024, 243-262
①は、EUで2022年に採択された、「EUにおける適正な最低賃金に関する欧州議会・理事会指令」(最低賃金指令)とドイツにおける対応について検討する文献です。
この指令は、各加盟国における、適正な最低賃金水準の指標の設定、最低賃金の決定手続などについて定めるものです。
(なお、労働政策に関するEUの立法権限から、賃金に関する権限が明文で除かれているため、そもそもEUにそのような指令の採択権限があるのかが問題となっています。デンマークが提起した、同指令の取消しを求める訴訟が、EU司法裁判所に係属中です。この事件の担当の法務官(Advocate General)は、同指令を全部取り消すべきとの意見を公表しています。)
②と③は、ドイツにおける「協約自治」について論じる文献です。
ドイツでは、規範形成を労使の自律的な団体交渉に委ねる「協約自治」が伝統的に重視されてきました。近年、労働協約の適用率や労使団体の組織率の低下を受けて、協約自治の強化が重要な政策課題とされています。
他方で、国家による労使関係への介入は、自律的な労使関係秩序の形成との緊張関係を常に孕むものでもあります。
②は、協約自治を強化するための措置を取る際のEU法・ドイツ憲法上の枠組みを検討するものです。
③は、法定最低賃金と協約自治との関係について論じるものです。
④は、やや毛色が異なりますが、2022年に欧州委員会が公表した、「一人自営業者の労働条件に関する労働協約に対するEU競争法の適用についてのガイドライン」を検討する文献です。このガイドラインは、他人を雇わずに個人で働く自営業者が結ぶ労働協約に対して、一定の場合にはEU競争法を適用しないとの態度を表明したものです。
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