政治学史の演習も兼ねて、現代英国の政治哲学者、John Grayの新著、The New Leviathans:Thoughts after Liberalism (Penguin Books,2024)をまず会読する。これはトマス・ホッブズ『リヴァイアサン』を再読しながら、冷戦後・ウクライナ戦争後・コロナ禍後の時代における世界の政治のゆくえを論じた本。ホッブズの原著とも対比しつつ、読んでいきたい。そして、同じくグレイによるユニークな本『猫に学ぶ』(原著2020年)を読んだのち、戦後日本のホッブズ研究の草分けの一人と言える福田歓一が書いた、一般読者むけの著書『近代の政治思想』(岩波新書、1970年)を会読して、戦後日本思想史と政治思想史研究との関連について議論したい。