学部後期課程
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最終更新日:2025年4月21日

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中国法

中国法
本講義は、現代中国における法実務と法制史・社会構造史的な見通しとの対話を通じて、中国法に関わる諸事象・諸問題を理解することを目的とする。石本茂彦弁護士(森・濱田松本法律事務所パートナー、上海事務所首席代表)が現在接する実務の先端と、松原が歴史的視野の中で研究対象とする社会構造とが如何なる関係に立つのか、そこにみられる中国社会が(日本を含む)国際的環境において如何なる意義をもつのか。これらの問題について制度的・非制度的諸要因を分析し、一定の共時的構造・通時的変遷の中に位置づけることで理解することを試み、現代世界において中国の法的変容がもつ意義を論ずる。既成の「正解」の存在しない実務の最先端においてこそ長期的な指針として本格的な「学問的」水準の認識が求められること、また逆に、学問的に未解決の重要な問題が、そうした実務の中にこそ尖鋭的に現れること、これらを多少なりとも示すことができれば幸いである。石本の上海勤務のため一部オンライン形式を含むことになるが、両担当者が互いの議論を踏まえて交互にプレゼンテーションを行った上、可能な範囲で参加者をも交えて討論を行う形式をとりたい。中国語の読解能力は参加の要件としないが、狭い意味での法律学的なものに限られぬ日本語・英語による幾つかの論考を読み、年来続けられている両担当者間の議論の一局面に参加する意欲・好奇心が必要となろう。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0124702
FLA-BL4610L1
中国法
松原 健太郎
A1 A2
月曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
法学部
授業計画
第1回 導入 第2回 中国国家資本主義の諸相(1)国有企業を支柱とする経済体制の成立と変容 第3回 中国国家資本主義の諸相(2)国家的戦略と企業体 第4回 国家資本主義の諸相(3)中国における資本主義への社会構造史的アプローチ 第5回 国家資本主義の諸相(4)国有企業と司法・立法の諸過程 第6回 中国社会と「法」・裁判(1):「依法治国」と司法諸制度 第7回 中国社会と「法」・裁判(2):企業戦略と裁判実務 第8回 中国の内的多元性(1)党・国家の指導と多元的諸主体 第9回 中国の内的多元性(2)財産権・地域社会編成と国家統合 第10回 国際社会と中国(1)WTO体制の諸機能と中国 第11回 国際社会と中国(2)通時的見通し:冊封体制から一帯一路へ 第12回 国際社会と中国(3)地政学的動向と国家資本主義との錯綜 第13回 まとめ及び質問受け付け
授業の方法
ハイブリッド方式を含む双方向的授業を中心に行う。
成績評価方法
期末レポートを課した上で、当該レポートについての口述試験(オンライン)を行う 平常点を考慮する 成績をA+・A・B・C+・C-(2011年度以前の入学者はC)・Fで評価する
教科書
特に使用しない。
参考書
適宜指示するが、基本参考文献として  David FAURE China and Capitalism: A History of Business Enterprise in Modern China (Hong Kong University Press, 2006), Benjamin LIEBMAN & Curtis MILHAUPT eds. Regulating the Visible Hand? The Institutional Implications of Chinese State Capitalism (Oxford University Press, 2016), Kwai Hang NG & Xin HE, Embedded Courts: Judicial Decision-Making in China (Cambridge University Press, 2017)を挙げる。
履修上の注意
中国語の読解能力は特に参加要件としないが、英文の資料を用いた議論に参加する準備のあることが必要となる。
実務経験と授業科目の関連性
2名の担当者の内1名、石本茂彦は30年余の実務経験を有する、中国法実務専門家として日本屈指の弁護士であり、現在直面する法実務上の問題を直接授業に反映することが期待されている。