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最終更新日:2024年10月18日

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ヨーロッパ法演習(外国語科目)

ヨーロッパ法と国内法
ヨーロッパ統合の大きな特色は,「法による統合」であることである.特に,広義のヨーロッパ法(EU法およびヨーロッパ人権法)の国内法に対する優越の結果,加盟国においては,国内法の「ヨーロッパ法化」が近年顕著な現象となっており,ヨーロッパ法の影響を無視して加盟国の国内法のみを研究することは,もはや困難となってきている.しかし,EU裁判所と加盟国の国内最上級審との関係は,当初から良好な関係であったわけではなく,例えば,フランス国務院(Conseil d’État)は,1989年のNicolo判決まで,久しく国内後法に対する条約法の優越を認めていなかった.
本演習では,そのような動向の具体的事例として,近時ヨーロッパで大きな問題となっている「法の支配」,特に司法権の独立に対する執行権からの攻撃に関わる,EU法およびヨーロッパ人権条約法の展開を分析した,EU裁判所のLenaerts長官の仏語論文を講読する予定である.同論文は,国内法と二つのヨーロッパ法が交錯する新たなヨーロッパ法の形成を分析するもので,近年のヨーロッパ諸国における広義のヨーロッパ人権法の影響増大と,その課題を考察する手掛かりとなるであろう.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0124004S
FLA-SE4511S2
ヨーロッパ法演習(外国語科目)
伊藤 洋一
S1 S2
水曜4限
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講義使用言語
日本語、フランス語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
法学部
授業計画
本演習では,教材となる文献を,特に参加者の分担を事前に決めることなく,講読する.
授業の方法
演習.
成績評価方法
平常点による. 試験,レポート無し. 成績をA+・A・B・C+・C-・Fで評価する.
教科書
本演習では,下記の文献を講読する予定であるが,開講までにより適当な文献が現れた場合には,変更の可能性がある. Lenaerts, Koen, La Cour de justice de l’Union européenne et l’indépendance de la justice, in Kjølbro, Jon Fridrik, et al. (eds.), Liber Amicorum Robert Spano, Limal, Anthemis, 2022, 429-443. (対面授業となった場合は,初回(4月10日(水)4限)のガイダンスで配布予定であるが,オンライン授業となった場合には,ITC-LMSからの教材ダウンロードを予定)
参考書
初回(初回(4月10日(水)4限)のガイダンスにおいて説明予定.
履修上の注意
万一オンライン授業となった場合に備え,メーリングリストを作成しておく必要があるため,(1)氏名,(2)電話番号,(3)メーリングリスト用電子メールアドレスを,伊藤宛に(*****)電子メールで可能な限り早く連絡すること. なお,4限の授業ではあるが,外国語文献講読授業としての性質上,時間延長が予想されるので5限にアルバイト,他の授業等を入れないよう注意されたい. 上記文献は,その内容上,ヨーロッパ法に関する知識(法源,裁判所組織の概要等)を当然の前提として書かれているので,授業に出席するか,適当な概説書を予め読んだ上で,本演習に出席することが望ましい. なお,フランス語文献読解の訓練も,本演習の重要な目的の一つである.本格的なヨーロッパ法研究には,英語だけでは到底十分とは言えないからである.フランス語を読む意欲のある者の参加を希望する.