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最終更新日:2025年4月21日

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特別講義 社会科学のデータ分析入門

 この授業では、社会現象を数量化したデータを、統計的に分析する初歩的な方法を扱う。より具体的には、回帰分析を修得する。統計というと、単に数値を集計したり平均値や割合を出したりするものを連想して退屈する人も多いかと思うが、それらと違って回帰分析は、ある変数の値が大きいと、他の変数の値が大きいのか、小さいのか、いずれもでもないか、を明らかにする。分析には、R Studioというインターフェースを通して、Rという無料のソフトウェアを用いる。
 主として想定している受講生は、これまで統計分析を学んだことがない人である。本講義では、統計分析の面白さを体験してもらい、回帰分析を読みこなす能力を身につけ、実際に自分でデータを回帰分析できるようになることを目標とする。敷居を低くするため、数学(特に確率論)を極力使わず、扱う手法も基本的には回帰分析一つに絞る(これさえ学べば、他の初歩的な統計手法の相当部分は不要になる)。統計ソフトの操作方法も敢えて必要最小限しか教えない。むしろ、社会現象を科学的に分析するためにはどのようなことを考えなくてはいけないのか、という因果的推論を重視する。またデータの実践的な取り扱いにも力点を置く。
 なお担当教員の専門が政治学であるため、授業で扱う実例やデータのほとんどは、政治に関するものである。但し、データ分析の手法そのものは、分野を問わず適用可能である。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0123988
FLA-PS4742L1
特別講義 社会科学のデータ分析入門
福元 健太郎
A1 A2
水曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
法学部
授業計画
10月 4日 序章    まずやってみる       第1章 モデル 10月11日   第1節 平均値の比較 10月18日   第2節 単回帰分析 10月25日   第3節 重回帰分析 11月 8日   第4節 変数変換 11月15日   第5節 変数選択       第2章 デザイン 11月22日   第1節 実験 11月29日   第2節 自然実験 12月 6日   第3節 回帰非連続と差の差 12月13日   第4節 傾向得点       第3章 データ 12月20日   第1節 指標 12月27日   第2節 観測  1月10日   第3節 収集から報告まで
授業の方法
 講義と実習から成る。講義では、スライドを用いる。スライドは配布する。実習では、受講生各自が教室備え付けのパソコンもしくは自分のパソコンでRを使用し、本物のデータを分析する。データは例えば、選挙、裁判官人事、学力、出生率、中絶、交通事故、などを扱う。多くのデータは、これまでの受講生が作ったものである。
成績評価方法
 試験は実施しない。実際の社会現象を統計分析したレポートを作成してもらい、それによって成績を評価する。 ◇日程と課題  レポートは2段階に分けて提出することを求める。おおよそ次のように予定しているが、変更の可能性があり、いずれにしても詳細は追って指示する。 第1レポート:12月22日(金)締切 検証する仮説、仮説を支える理論、仮説を検証するために必要と考えられるデータについて述べる。分析対象は、社会科学に関するものであれば何でも構わない。 第2レポート:2月中(詳細は後日指定) 仮説を検証するためのデータ、データを用いて仮説を検証する分析のRスクリプト、分析をまとめたレポート(データと、そのコード・ブックを含む)、を提出する。指標の個数は10以上。 ◇データのタイプと配点  難易度に応じて次の2種類から選んでもらう。 Aタイプ 100点満点 自分でデータを収拾する(異なるソースから複数の変数を集めて1つのファイルを作る)。都道府県を単位とするものを標準とするが、他にも、東京都特別区、EU諸国、OECD諸国なども考えられる。観測数は23以上。 Bタイプ 70点満点 参議院議員通常選挙データベースを利用する。http://db.cps.kutc.kansai-u.ac.jp/*****
教科書
特になし。
参考書
浅野正彦・矢内勇生『Rによる計量政治学』(オーム社、2018年) 増山幹高・山田真裕『計量政治分析入門』(東京大学出版会、2004年) 森田果『実証分析入門 データから「因果関係」を読み解く作法』(日本評論社、2009年) 今井耕介『社会科学のためのデータ分析入門』(岩波書店、2018年)
履修上の注意
特になし。
その他
ITC-LMSに、授業で使用するスライド、Rのスクリプト、データをアップロードする。対面授業をZoomでも同時配信する。