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最終更新日:2022年10月20日

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ヨーロッパ政治史

ヨーロッパ政治史
主として18世紀末から20世紀後半にかけてのヨーロッパ諸国における政治構造の形成・変動のダイナミズムを比較の視座から描き出す。

政治史は、歴史事象を素材として用いつつも、政治学の重要な一部門を構成する。この講義では、近現代のヨーロッパ諸国の政治発展を題材として、比較政治学的な思考の基礎を身につけてもらえるよう努めたい。

近代国家の成立以来、同じヨーロッパの中でも、官僚制や政党制をはじめ、各国の政治のあり方には、極めて大きな多様性が見られた。こうした国・地域ごとの差異はどのような経緯で、いかなる要因によって生まれてきたのか。こうした問いに対して比較政治学の手法と知見とを用いて答えようとする。政治発展の経路を分けることになった重要な分岐点を時期毎に特定し、なぜそのような分岐が起こったのかについて、様々な仮説を検討し、あるいは史実の分析を通じて仮説を構築していくのである。

あらゆる歴史にもまして、政治史においては偶発的事件や個々人の選択の役割が極めて大きい。しかし、この講義では、こうした「物語」ではなく、その裏側で人々の選択を大きく規定している「構造」に着目する。中長期的に一定の安定性をもった構造がどのように形成され、いかに、なぜ変動するのか、という視点から、ヨーロッパ各国の政治発展の軌跡を比較の土俵に載せていく。

ヨーロッパ政治史は、比較政治学にとって、これ以上なく豊かな分析対象である。基本的な社会・経済・文化的な条件をおおむね共有する一方で、20世紀末までのヨーロッパ各国は、極めて多彩な、特徴的な政治構造を発展させてきた。そのため、20前後の中小サイズの国々の政治発展を比較対照することで、いかなる要因が政治のあり方を規定しているのか、を説得的に示すことが期待できるのだ。得られる知見は、日本の近現代政治を理解する上でも不可欠なものとなろう。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0122231
FLA-PS2702L1
ヨーロッパ政治史
中山 洋平
A1 A2
月曜5限、木曜2限
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教室
講堂 900教室
講義使用言語
日本語
単位
4
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
法学部
授業計画
大衆動員と組織化、総力戦、ヨーロッパ統合など、各々の時代に固有で、一回性の強い現象が各国の政治構造にいかなる刻印を残したかを辿りつつも、中央地方関係や福祉国家などの通時的な視点で構造変動を概観し、時間の制約の許す限りで、1世紀半にわたる変化の過程に見取り図を与えることを目指す。 暫定的シラバス 前半     *括弧内は放送大学の教科書の中山執筆部分の対応章  第1章 絶対主義の統治構造と国家機構形成(2章)  第2章 自由化/民主化の始動(3~4章)   第3章 ナショナリズムの時代(5章)  第4章 世紀末の大衆動員・組織化と福祉国家の建設(6~7章)  第5章 第一次大戦と戦間期民主制の明暗(8~9章) 後半   *今年度は第6章まではカバーできるよう努力したい   補説 権威主義、反ユダヤ主義、植民地支配(オンディマンドの追加セッションとする予定)  第6章 戦後高度成長期の政治:ネオ・コーポラティズム、福祉国家と政党政治  第7章 「組織の時代」の終焉:68年、石油危機とグローバル化
授業の方法
今年度の講義は、対面形式を基本としつつ、オンライン形式も交えて実施する。 オンライン形式では、レジメの参照や資料の紹介がしやすい上に、録画で復習ができる、本郷生も受講しやすい、など、利便性を感じることも多かった。 そのため、対面形式の回についても、録画をZoomなどで閲覧可能にする方向で検討している。 担当教員のIT能力は限られているが、オンラインならではの可能性を講義に活かしていきたい。
成績評価方法
過去2年度はコロナ対応のため、オンライン筆記試験(一切参照可、相談は不可)の形式で実施したが、今年度は例年通り、対面での筆記試験を予定している。
教科書
中山洋平・水島治郎『ヨーロッパ政治史』(放送大学教育振興会、2020年)を使用する。 但し、本書の初刷(第一刷)には、遺憾ながら中山執筆部分に多数の誤植・誤記があるため、中山の学部ホームページ(下記)ないしITC-LMS上に掲載の正誤表を必ず参照すること。第二刷(22年1月付)では修正されているので、奥付を確認されたい。 教科書を読まなくても講義を理解できるよう心掛けるが、毎回の講義内容の概略はこの本で述べられているため、事前に読んでくることを強くお勧めする。
参考書
篠原一『ヨーロッパの政治』(東京大学出版会、1986年)は、参考書として講義中に随時参照する。中山の講義より幅広い政治現象を扱い、多彩な理論を紹介している。 他方、平島健司・飯田芳弘『ヨーロッパ政治史(改訂新版)』(放送大学教育振興会、2010年)は、中山・水島の教科書によく似た構成を取るが、ドイツを視野の中心を置いている。 なお、今年度の講義でも、時代毎の主要な思想や学問潮流が、政治構造の変動とどうかかわっていたか、についても若干触れるつもりだが、この点については下記が極めて有益。 ヤン=ヴェルナー ミュラー『試される民主主義 20世紀ヨーロッパの政治思想(上・下)』岩波書店、2019年。
履修上の注意
ITC-LMSを通じてレジメ(Word形式)を前日の晩までに配布する。 高校世界史の基礎知識がやや心許なくても、レジメなどを見て、高校の教科書や用語集の関連箇所を見直して来れば足りるはずである。いずれにせよ、受験世界史の出来合いの図式は、講義を聴き進むうちに溶けて意味を成さなくなるだろう。 レジメで紹介する参考文献などを手掛かりに、自分の関心に従って先に進もうとする学生には決して支援を惜しまない。質問にも時間の許す限り対応したい。