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最終更新日:2025年4月21日
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民法演習
民法文献購読
吉田克己=片山直也編『財の多様化と民法学』(商事法務、2014)所収の論文を読む。
民法85条は、民法典(形式民法)における物を有体物に限定している。実際には、債権や知的財産権のように、有体物以外にも財産的価値を有するものはこれまでにも存在しており、近時そのようなものは増殖しつつあるが(情報などの「新たな財」(産))、それらは形式民法では物として扱われない。民法学も、形式民法の解釈に終始する限り、それらが物としての側面を有するか否かという問いには無関心でいることができるのかもしれない。それらが民法の授業の中で扱われることも多くはないであろう。
しかし、実質民法を私法の一般法と定義するならば、民法学も実質民法のあり方に関心を持たざるを得ないはずである。そうすると、民法85条によって形式民法の適用範囲外に置かれたものについても、無関心ではいられないはずであろう。冒頭で掲げた書籍は、そのようなものに民法学がどのように向き合うべきかを考える手がかりとなる論文を収めた論文集である。
そこで本演習では、この論文集に収められた論文を読み、それらを手がかりとして、特に「新たな財」に民法学がどのように向き合うべきかを考えたい。
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