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最終更新日:2024年4月1日

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憲法演習(外国語科目)

司法審査から考える社会的排除
本授業では、社会的排除を適切に解消するための司法審査について考えます。
 ただ、「社会的排除」と一口に言っても、その言葉の出自からして非常に多様な状態が含まれます。そこで本授業では、まず、主としてホームレスを公共用物から排除する、という場面を問題として共有します。その上で、ホームレスを含む人々の公共空間からの排除について憲法学の観点から比較法分析を行ったDaniel Moeckli, Exclusion from Public Space (C.U.P., 2016)を通読します。
 また、参加者の希望に応じて、社会的排除の他の場面や、あるいは社会的排除よりも広く、何らかの構造的不正による被害(例えばジェンダー不平等など)等について考える機会も持つ予定です。
 以上の作業を通じて、本授業では、以下の能力を習得することを目標とします。
 ・日英の文献を内在的かつ批判的に読解できる
 ・自己の見解を自己から独立したものに照らして批判的に精査できる
 ・自己の見解を他者に対してわかりやすく伝えることができる
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0121105S
FLA-SE4101S2
憲法演習(外国語科目)
小川 亮
S1 S2
木曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
法学部
授業計画
1.授業説明+顔合わせ  この授業についての説明及び担当箇所を決定します。参加される方は、どこを(何を)担当したいか、事前に考えてきてください。 2.土井翼「公共用物上の不法占拠者の排除――公物管理権の法的性質試論」東京大学法科大学院ローレビュー9号(2014)  日本行政法学における公物管理権論の現在の到達点を形成した論文です。まずこれを読んで、日本における議論の状況を把握します。この回では直接には土井論文のみを検討しますが、太田匡彦「明渡しか、除却か」東京大学法科大学院ローレビュー4号(2009)も、この回までに全員読んできてください。 3.Moeckli, Exclusion from Public Space, Ch.1 Introduction (1-23) 4.Ch.2 Public space and its transformation (24-68) 5.Ch.3 Exclusion from public space (68-117) 6.Ch.4 Rule of Law 1(117-158) 7.Ch.4 Rule of Law 2(158-198) 8.Interlude: 参加者の希望に応じて英語論文を何か一本読みます。 9.Ch.5 Fundamental Rights: liberty (199-329) 10.Ch.6 Fundamental Rights: equality (320-376) 11.Ch.7 Democracy (377-411) 12.Ch.8 A right (of access) to public space? & Ch.9 Synthesis (412-448) 13.太田匡彦「明渡しか、除却か」東京大学法科大学院ローレビュー4号(2009)  行政代執行によるホームレス排除の司法審査について考究した論文です。 Exclusion from Public Spaceを読んでこの論文に対する評価がどう変わるか、あるいは変わらないかを考えてもらいます。
授業の方法
第1回において各回の担当者を決定します。担当者は、1週間前までにその時点でのハンドアウトを作成・共有した上で、報告の日前中(火曜日中)に、当日使用する完成したハンドアウトを作成・共有します。ハンドアウトの内容は要約(A4で4枚まで)及び疑問及び批判(枚数制限なし)から構成することとします。疑問や批判は対象文献を読んで感じたことを提示するのみならず、その上で、報告者自身がその点を探究した成果を共有することが必要になります。  当日は、報告者が30分から40分ほどでハンドアウトの内容を報告した上で、全体との質疑応答を行います。報告者以外の参加者も、毎回、対象となる文献を精読してきた上で、要約の正確性や内容に対する疑問、あるいは批判すべきポイントについて参加者全員で検討します。
成績評価方法
以下の観点から評価します。 ・形式的な規則の遵守 ・ハンドアウトの内容 ・各回における参加度(毎回1回は発言することが望ましい)
教科書
Moeckli, Exclusion from Public Spaceを事前に入手しておいてください。
参考書
ホームレス排除について憲法学の観点から論じた邦語文献として、笹沼弘志『ホームレスと自立/排除―路上に“幸福を夢見る権利”はあるか』(大月書店、2008) 社会的排除一般の手ごろな解説書として、岩田正美『社会的排除―参加の欠如・不確かな帰属』(有斐閣、2008)
履修上の注意
終了時間が超過することはあり得ますが、遅くとも19:00過ぎには終了します。