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最終更新日:2024年4月22日
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国際政治演習(外国語科目)
イギリスにおけるEU離脱国民投票、あるいはアメリカにおけるトランプ大統領当選に見られるように、ポピュリズムという言葉を使って形容される政治現象が世界を揺るがしている。これは各国国内政治にとどまる現象ではない。世論を動員する政治指導の台頭は、グローバルなリベラリズムに正面から立ち向かう自国優位の対外政策の拡大を伴う現象だからである。しかし、ポピュリズムと国際関係について学術的に考察を加えることは決して容易ではない。まず、ポピュリズムという言葉で何を意味するのか、了解はない。それは民主主義や権威主義と並ぶ政治体制のひとつなのか、それとも政治体制を横断して発生する短期的な政治現象なのか。さらに、国際関係との関わりについても明確な課題を提起することは難しい。内政と外交、さらに鋭角的に問題を提起するなら外交と世論の緊張関係はこれまでにも指摘されてきた。今私たちが前にしている現象は、投機的で機会主義的な政治指導と大衆社会という既にお馴染みの現象と同じものなのか。違うとすればどこが違うのか。できる限り学術的かつ客観的な方法を用いてポピュリズムと国際関係の関わりについて考察を加え、できる限り理論的な概念構成を試みつつ、具体的な状況分析をも行うことを目的としている。
この演習は、参加学生の次の能力を伸ばすことを目的としている。
(1)問題を立てる力 アジェンダ・セッティング、福沢諭吉の言葉を使うならば議論の本位を立てることは、すべての学問的アプローチの出発点である。このゼミでは、参加学生が、それぞれオリジナリティのある問いを立て、その問いをさらにシャープなものとすることが大きな目的である。
(2)既存研究を読み解く力 学術論文は「答え」ではなく、ある問いに対して可能な「答え」の一つである。自ら研究を行うためには、まず論文を「答え」、あるいは所与としてではなく、問いに対する可能な答えを生み出すプロセスのなかから捉えなければならない。ゼミの前半では研究業績を読むが、その過程において「どう読むか」、既存の研究を読み解く力を養っていただきたい。
(3)理論と実証を結びつける力 国際政治の研究は理論だけでも現象の記述だけでも不十分である。ここで必要なのはより一般性のある概念枠組みや理論を、個別性と特異性に支配される現実事象の分析と結びつける力であり、ゼミ前半で学んだ業績を個別の研究に反映する過程においてこの力を伸ばすことを期待している。
(4)コミュニケーションをする力 ここでのコミュニケーションとは、書き言葉による表現と、口頭報告・討論による表現の両方を含んでいる。ゼミ前半は半の発表が中心であり、そこでは口頭報告の技法と討論の技法を伸ばすことが目的となる。ゼミ後半、ゼミ論文準備の過程では、文章表現をどこまで正確に、しかもわかりやすく行うことができるのかが大きな課題となる。
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