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最終更新日:2024年4月1日

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日本近代法史

日本近代法史
明治維新以降の日本は、植民地化を免れつつ、大陸ヨーロッパ法を中心とする西洋法システムを、急速かつ包括的に受容しようとした。このような法の「継受(Rezeption)」のあり方は比較法史的に見て唯一といっていいほど稀有であるが、これが日本近代の法体系にとって根源的の事象であり、今日、法システムが、グローバル化と称するイデオロギーの下、深刻かつ無原則な変容にさらされているとはいえ、否その故に、現下の法のあり方を反省するためにもクルーシャルな意味をもつ。「継受」概念自体の限界が指摘されて久しいが、本講義では、あえて、この継受過程を、法規範のみならず、法思想、法システムの担い手としての法曹、法学およびそれと密接不可分に結びついた大学制度、といった、さまざまな側面から考察することを、当面の目的とする。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0120661
FLA-BL2605L1
日本近代法史
和仁 陽
A1 A2
金曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
法学部
授業計画
おおまかな柱としては、明治前期の「西洋的」民刑事裁判制度形成の過程と訴訟実務の史料的考察、明治初期の刑事立法とその運用、旧民法・明治民法編纂作業とその後の私法学史、大日本帝国憲法の起草過程とそれを規定した国家思想の分析、帝国憲法下の公法学史、を叙述の中心としたい。
授業の方法
平板な概説を意図せず、具体的な歴史的問題状況を尖鋭に示すような史料に触れながら議論を進める。日本近代法史が講義として、研究領域としての日本近代法史と連動していることは自明だが、後者は、全体としてみた場合、見通しを欠く無節操な量的拡大の結果、ディシプリン(このことばの全ての意味において)として自壊しているという印象が、刻々と強まるばかりなのでなおさらである。
成績評価方法
学期末定期試験による。試験は、紙であれば、あらゆるものを持込み可とする予定。
教科書
講義がそれに沿って進むという意味での教科書は使用しない。
参考書
必要に応じて挙示するが、「授業の方法」欄に書いたような事情から、一般に、今世紀に入ってのものは情熱的にはおすすめする気がなかなかおきない。昨今のを読む前提としても:、20世紀限定で、 ・福島正夫の著作(精華集として『日本資本主義の発達と私法』[東京大学出版会]) ・『講座日本近代法発達史』(勁草書房 1958-) ・石井紫郎編『日本近代法史講義』(青林書院 1972) ・碧海純一他『法学史』(東京大学出版会 1976) ・牧英正/藤原明久編『日本法制史』(青林書院 1993) ・川口由彦『日本近代法制史』(新世社 1998) ・林屋礼二/石井紫郎/青山善充編『図説・判決原本の遺産』 (信山社 1998) 依然便利な活字本の旧法令集として ・我妻栄編集代表『旧法令集』(有斐閣 1968) ・『旧法令集 平成改正版』(有斐閣 2012) 日頃から徘徊渉猟していただきたい web サイト: ・近代デジタルライブラリー(国立国会図書館)  http://kindai.ndl.go.jp/***** ・日本法令索引 明治前期編(同)  http://dajokan.ndl.go.jp/***** ・日本法令索引 (同)  http://hourei.ndl.go.jp/***** ・国立公文書館  http://www.archives.go.jp/*****
履修上の注意
国際法を聴講することを、極めて強く要望しておきます。