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最終更新日:2024年3月15日

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国際政治演習

現代外交実践講座
現代世界は、主権国家システムの下での大国間のパワー・バランスの変化、テロ・サイバー・難民・気候変動などの非伝統的脅威の増大、科学技術やグローバル化・情報化の画期的進展によって複雑な様相を呈し、国際秩序が変動しつつある。現代日本外交を論じるに当たっては、こうした国際社会の構造変化を踏まえ、外交の原則や要素を確認しつつ、大局的・長期的視点に立ってアプローチする必要がある。
●本演習は、そうした認識に立って、第一に、critical thinkingを重視し、「考える力」を発揮する、第二に、presentationを慫慂し、自らの考えを「伝える力」を向上させる、第三に、creativityを期待し、debateを通じて新たな問題意識や解決策を「創造する力」を導き出す、ことを目指している。参加者一人一人が外交官として思考し行動するプロアクティブな実践講座であり、積極的な討論参加と創造的な論文作成を求める。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0120005S
FLA-SE4709S2
国際政治演習
小原 雅博
S1 S2
水曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
法学部
授業計画
●第一部では、外交論の前提/ツールとなる基礎知識として、外交の視座(地政学や国際秩序など)、及び、外交の基本的要素である①国益、②パワー、③戦略と政策について、論点を報告し、質問し、批判的思索と討論を促す。 ●第二部では、日本外交の三原則について、明治から現代(小泉政権から安倍政権)までの政策や実績も振り返りながら、評価し展望する。 ●第三部では、第一部での外交に関わる概念・ツールを駆使し、第二部の日本外交の展開も念頭に起きつつ、具体的なケース・スタディとして、①領土・海洋権益(尖閣・竹島や南シナ海)、②歴史問題(靖国神社参拝や慰安婦)、③安全保障問題(北朝鮮の核問題や中国の軍事力増強)、④東アジアの地域秩序作り(「東アジア共同体」、TPP、AIIBや「一帯一路」)を取り上げ、中身を精査した上で、異なるプレイヤー(例えば、日本、中国、米国、ASEAN又は韓国・北朝鮮)に分かれての外交ゲームや模擬二国間交渉などを試みる。 ●以上の演習を進める中で、各自が自らのテーマを選び、考察を深め(「考える力」)、中間報告において論点と問題意識を整理し発表し(「伝える力」)、最終的に自らの見解を論文に取りまとめる(「創造する力」)。論文は、学期末に合宿を行い、そこで発表する。
授業の方法
(1)チーム  参加者は、A,B,C,D四つのチームに分かれ、第一部の外交の基本要素、及び第二部の外交政策について、チーム毎に発表を行う。チーム構成は、オリエンテーション後に提出された自己紹介メモを踏まえ、小原が作成し、第2回ゼミの冒頭に配布し、決定する。 (2)第一部・第二部の読解と発表  各チームは、関連文書を読んで、外交の原則や要素を整理し、その論点、及び、critical thinking(その論点に対する疑問や異見)をA4一枚のレジュメに取りまとめ、ゼミにおいて各チームの代表(一回毎の持ち回り)から5分以内で報告する。右報告を受けて、小原から適宜コメントしたり、全員で討論したりして、理解を深め、問題意識を共有する。 レジュメ提出期限はゼミ前日の午後6時。それまでに、ワード・PDF形式のものを電子メールに添付して、ゼミのメンバー全員と小原(*****)及びTAに送付する。 (3)第3部での外交ゲームやシミュレーション  第三部では、先ず、各チームにおいて、取り上げるケースについて、事実関係や背景、問題の所在などを整理し、理解を深めた上で、小原が事前に提起する質問にどう答えるかという形で、各チームで議論し、準備をする。その上で、ゼミにおいて、それぞれがプレイヤーとなって外交ゲームやシミュレーションを実践する。 (4)各メンバーによる研究論文の準備と作成  ゼミ生全員が、それぞれ、研究論文執筆に向けて、具体的な外交問題を取り上げて、論点を整理し、その中で、「日本の国益は何で、それをどう実現するか?」について、ポイントをまとめたレジュメを作成し、それに基づき中間発表する。それぞれに対し、小原より、適宜アドバイスする。それを踏まえた上で、最終的に、研究論文を執筆する。論文の締め切りは、7月25日(水)正午とする。論文の字数は、約5千字とする。 (6)合宿  論文提出後に、一泊二日の合宿を行い、研究報告の発表と討論を行う。日時と会場は未定。
成績評価方法
平常点とゼミ論文による
教科書
「日本の国益」〔講談社現代新書 2018年〕 「東大白熱ゼミ」(小原雅博 ディスカバー21 2019年)
参考書
「国益と外交」(小原雅博 日本経済新聞出版社 2007) 「『境界国家』論」(小原雅博 時事通信社 2012) 「チャイナ・ジレンマ」(小原雅博 ディスカバー21 2012)
履修上の注意
事前準備も含めたチームワーク重視、討論での積極的発言評価、2回以上の欠席は成績に影響。
その他
初回2020年4月8日は17時から開始。
実務経験と授業科目の関連性
外務省勤務35年の経験も踏まえた授業