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最終更新日:2024年4月22日

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造形第二

本講義は主に建築設計を学習する学生を対象に、デザイン支援ソフトウェアの持つ機能とその背景にある視覚的造形的意味を総合的に理解することで、デジタルなツールの持つ特性を活かした建築的な構想力を身につけることを目的にしている。
建築の実務で全般的にCADが使われるようになって久しい、それも2次元の図面作成から3次元のモデリングへと進み、近年ではBIMと呼ばれる形状だけでない様々な情報の統合が一般化しつつある。建築を専門的に学び、設計実務をできるようになろうとする学生が、これらのツールの使い方についてある程度習熟していた方がいいのは当然のことである。しかし、気をつけなければならないこととして、ツールの一般的な使い方に囚われ慣らされてしまって、その限界に無自覚になり自分の視覚的な把握能力や造形的な構想能力を開発できなくなる恐れがある。むしろ、それぞれのツールが持つ本質と可能性を正しく理解し、使いこなし方を意識しつつ自らの空間理解力や表現力、発想力も同時に高めることによって建築的な構想力が身につけられる。本講義では各回に、具体的なソフトウエアを年上げてその使い方の紹介と、ソフトウエアによる製作作業の体験と、実際の建築デザインを意識したソフトウェアの本質に関する講義の3部構成により進める。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
FEN-AR2w02S1
FEN-AR2w02S1
造形第二
各教員
A2
水曜3限、水曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
1
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
工学部
授業計画
第1回 デジタルデザインの環境整備 参考「建築学生のためのパソコン選びの話」(下記その他のリンク先より演習用Google Driveフォルダにアクセスできます。その中の「00_参考資料」にアップされています) 使用予定ソフトウエア(Revit、Twinmotion、Rhinoceros、その他プラグイン)のインストールとユーザアカウントの取得。各自ECCS クラウドメールのアドレス、受信可能かを確認しておくこと。 第2回 3次元モデリングと3次元理解力 3次元モデリングソフトウェアは実は2次元的なモニタースクリーンに表示されている。そこでは座標空間の概念と投影図法や透視図法の応用が原点になっているが、そもそも人間にとって3次元空間とその把握とは何なのかは、人間の立体視覚の仕組みや絵画の立体描画技法の歴史と照らし合わしたときに、2次元的な理解や表現と3次元的な感覚や想像の往復能力の持つ役割が理解できる。  使用ソフトウェア Revit  演習課題 既存の3次元モデルを改変し、適切な表現の2次元表現(平面図、断面図、立面図、透視図)を作る 第3回 BIMのデータ構成と建築のワークフロー BIMは3次元データの建築部品や位置情報に物性や材質やコストなどの様々な属性情報を統合して構造化することで、建築に必要な情報を横断的に利用した分析や予測などができる点に、単なる3次元モデリングとの差がある。その宿命としてモデリングデータは常識的な建築の部品構成原理や実務作業フローに強く依拠していることを十分理解することで、むしろその枠に囚われないデザインの可能性も理解できる。 使用ソフトウェア Revit  演習課題 3次元モデルデータからサヴォア邸のBIMモデルを作り、さらに特定の集計データを取り出す 第4回 視覚体験の理解とCGレンダリング テクスチャーの持つ光学的性質、ライティング状態による印象の変化、視点とその移動によるストーリー性、人間や植物などの要素が持つ効果など、CGにより視覚的体験を再現しようとすることは、同時に視覚的体験と空間環境の関係に関する洞察をもたらすことが理解できる 使用ソフトウェア Twinmotion 演習課題 与えられた3次元モデルを使ってCGアニメーションを作成する 第5回 数理的幾何学モデルとパラメトリックデザイン 形態や空間を数理的な構成記述に置き換えて表現することは、コンピューターによるデザイン支援の必然であると同時に、その計算的可能性を生み出す原点でもある。 パラメーターで調整可能なモデルが試行錯誤の幅を広げ、その視覚的変化の観察が人間の想像力に愛嬌することを理解できる。 使用ソフトウェア Rhinoceros +Grasshopper 演習課題 パラメーターで調整できるオブジェクトを作成し、変化の簡易アニメーションを作る 第6回 曲面のモデリングとアルゴリズミック・デザイン 複雑な曲面の制御はコンピューターによるデザイン支援の典型でもあるが、同時になぜ建築を含む近代の人工物の造形が、直方体と直行グリッドを主体にしているのかを再考する機会にもなる。曲面の生成とその自動化を通じて自然界の生物的造形が持つ高い適応力を理解できる。 使用ソフトウェア Rhinoceros +Grasshopper 演習課題 生物の形態などを参照して曲面オブジェクトとその動的変化を再現する 第7回 シミュレーションと形態の自動生成 物理シミュレーションや環境シミュレーションをはじめとして、様々な予測に使えることがコンピューテーショナルなモデルの優位性であり、その予測をパラメーターにフィードバックすることで自動的な最適化をすることができることが最大の可能性であることを理解できる。 使用ソフトウェア Rhinoceros +Grasshopper 演習課題 配布されるパビリオン状の構造物について、自動生成でバリエーションを生み出し、シミュレーションによりパラメーターの最適化を試みる
成績評価方法
各回に提出された演習課題制作物に基づき評価を行う。授業時間後の場合はビハインド提出として扱う
履修上の注意
指示しない
その他
事後履修:建築設計製図第三,造形第三 事前履修:建築設計製図第一,造形第一 平行履修:建築設計製図第二