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最終更新日:2024年4月22日

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全学自由研究ゼミナール (国連とインクルージョン)

国連とインクルージョン
(今の所、オンラインで開講予定です)
国連で、193カ国の首脳によって採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」(2015)。SDGsは、2016年から2030年までの国際の優先事項を定めたもので、「誰一人取り残さない(Leaving no one behind)」こと、すなわち「インクルージョン」をコア概念としている。国連では、女性、子供、移民・難民・国内避難民、先住民・少数民族、障害者、高齢者、LGBTI等のインクルージョンが重点課題とされている。偏見や差別により周辺化された人々は、身体的・性的暴力や殺人を含む人権侵害、貧困をはじめとする様々な開発上の困難に曝されることが多い。また、国際社会においては、障害、LGBTI、精神保健等、テーマ自体が周辺化されることもある。

2020年度A1タームでは、世界人口の15%を占める「障害者のインクルージョン」をテーマとする。SDGsでは7つのターゲットが障害に関する指標を含んでおり、今後の開発・人権を考える上では、障害者のインクルージョンやアクセシビリティーの視点は欠かせない。中でも、精神障害・知的障害は目に見えにくく、スティグマや偏見も強いため、周辺化されやすい。開発途上国では、精神・知的障害者に対する殺人や暴力等が多く見られる他、閉鎖施設等で鎖に繋がれる等、重篤な人権侵害が後をたたない。一方で、4人に1人が精神疾患を経験し、OECDによると精神疾患による経済的コストはGDPの4%以上である。また、世界銀行とWHOは、精神保健に対する1ドルの投資は、3ドルの利益を生むとしている。

国連では、2006年に障害者権利条約が採択され、批准国においては精神・知的障害も含む障害者のインクルージョンが法的義務となった他、SDGsや仙台防災枠組でも優先事項に含まれた。しかし、これらの実施をめぐっては、差別的態度を含む社会的障壁、身体拘束や強制入院、重度の障害や認知症を持っている人々の意思決定や社会参加、精神障害者や知的障害者のアクセシビリティーの確保方法等をめぐり、難しい課題が多い。

本講義では、国連機関職員や当事者を含む講師から現場の状況を学びつつ、学生間の討議や調査を行い、障害者の権利をめぐる国際社会の新しい解決策を考える。また、これを通して、国連の実際およびインクルージョンについて学ぶことを目的とする。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
51436
CAS-TC1200S1
全学自由研究ゼミナール (国連とインクルージョン)
井筒 節
A1
木曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
1
実務経験のある教員による授業科目
YES
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
ー国連システムや持続可能な開発目標(SDGs)の概略 ー障害者の権利をめぐる国際の枠組み ー国連職員、JICA職員、障害当事者による講義(予定。変更の可能性あり) ー国際社会の新しい解決策をめぐるディスカッションと提言の作成 等
授業の方法
国連関係者・実施関係者・当事者による講義および受講学生によるグループ・ディスカッション・発表
成績評価方法
授業への参加と課題
履修上の注意
N/A
実務経験と授業科目の関連性
担当教員は、元国連職員であり、本分野における政策策定やプログラム実施を率いた実務経験がある。