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最終更新日:2025年10月17日

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全学自由研究ゼミナール (異文化間能力・葛藤解決能力養成実践講座ーケーススタディとASトレーニングを通して学ぶ― )

異文化間能力・葛藤解決能力養成実践講座ーケーススタディとASトレーニングを通して学ぶ― 
現代社会において、人々は国境や文化的背景を越えて日常的に接触し、協働する機会が急速に増加しています。こうした多文化的環境では、価値観や行動様式の違いに起因する摩擦や誤解、対立(=異文化間コンフリクト)が生じることは避けられません。しかし、それらの衝突は「トラブル」ではなく、互いの文化理解を深め、共生への道を切り開く契機ともなり得ます。

本講義では、異文化間における対立の構造や原因、そしてその対処法について、異文化間コミュニケーション学の視点から、理論的知見と実践的スキルの両面を学びます。ケーススタディ、ロールプレイ、アサーション・トレーニング、さらには異文化の現場で活動するゲストスピーカーの講話などを通じて、異文化的状況下での対話力と問題解決力を高めることを目指します。

将来、国際的なフィールドでの活躍を目指す学生はもちろん、多様性に富む現代日本社会で他者と協働して生きていくすべての学生にとって、必須の素養となる「異文化間能力」を養う実践型の授業です。

本講義の具体的な目標は以下の通りです。
1.異文化間の価値観やコミュニケーション様式の違いを理論と実例を通じて理解する
2.異文化間で生じるコンフリクトの背景・構造・心理的要因を分析する力を身につける
3.異文化状況において、自他を尊重しながら自己表現できるアサーティブな態度を育てる
4.ロールプレイ・実践演習・ゲスト講義などを通じ、現実世界の対立に対処する実践力を高める
5.自分自身の文化的価値観を内省し、多様な立場を理解・尊重する姿勢を身につける
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
51413
CAS-TC1200S1
全学自由研究ゼミナール (異文化間能力・葛藤解決能力養成実践講座ーケーススタディとASトレーニングを通して学ぶ― )
園田 智子
A1 A2
火曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
YES
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
〈第1回〉何を目指すか?クラスオリエンテーションと自己紹介:授業概要説明・アイスブレイク・講義①概論(文化・異文化・異文化間能力) 〈第2回〉違和感は何か?ケーススタディ(1)・講義②言語・非言語コミュニケーション 〈第3回〉ハイかローか?ケーススタディ(2)・講義③コミュニケーションスタイルとコンテキスト 〈第4回〉常識とは何か?ケーススタディ(3)・講義④異文化間コンフリクト・エスノセントリズム 〈第5回〉ゲストスピーチ 現場における異文化間対立とその解決・実践コミュニケーション 〈第6回〉文化と組織の関係は?ケーススタディ(4)・講義⑤グローバルリーダーシップ 〈第7回〉カルチャーショックとは?ケーススタディ(5)・講義 W曲線と異文化適応・異文化間感受性 〈第8回〉アサーション・トレーニング(1)概論 ケース1 〈第9回〉アサーション・トレーニング(2)アサーションの具体的スキル 〈第10回〉アサーション・トレーニング(3)アサーションの実践 〈第11回〉文化による価値観の違いとは?ケーススタディ(6)文化的価値次元・文化的自己観 〈第12回〉ゲストスピーカー②現場における異文化間対立とその解決・実践コミュニケーション 〈第13回〉個人・グループ発表 異文化間葛藤場面のケース分析・ロールプレイ
授業の方法
本講義では異文化間コミュニケーション学及び異文化間心理学の基礎理論に関する講義の他に以下のような方法で授業を進めます。 1)ケーススタディ:毎時間、アカデミック場面やビジネス場面など様々な異文化接触場面において起こる異文化間コンフリクト事例をもとに、葛藤の原因、心理的要因、文化的背景、葛藤解決法についてグループで議論します。グループによるケース発表も予定しています。 2)アサーション・トレーニング:傾聴と根気強いコミュニケーションで相手にとっても自分にとっても納得のいく結果を目指すコミュニケーション法を具体的に経験します。 3)ゲストスピーチ:国内外の国際機関等で活躍するゲストや、外国人ゲストを招いて実体験を共有し、課題をともに考える。 4)個別・グループ発表:個別課題は異文化間葛藤に関するエッセイとし、異文化間のトラブルや違和感など自分自身の経験について、異文化間心理学及び異文化間コミュニケーション学生の理論に基づいてその状況、原因、解決策についてまとめ発表する。一方、グループ発表では、2名以上のグループで発表を行う。ビジネス場面における異文化間葛藤場面について分析を行い、モデル会話を作成してロールプレイ形式で発表する。
成績評価方法
1.講義ごとの小課題(40%) 2.個別・グループ発表及び提出レポート(40%) 3.授業やグループワークへの参加度・貢献度(20%)
履修上の注意
・科類や前提知識を問わず参加を歓迎します。 ・海外留学を控えた学生、異文化生活を始めたばかりの外国人留学生の参加も大歓迎です。 ・毎回授業後に小課題が出されるため、復習に2~3時間程度の時間が必要です。 ・ペアワークやグループワークを頻繁に行います。ワークが苦手な方はあらかじめご相談ください。 ・授業の中で「アサーション・トレーニング(Assertion Trining)」を行います。
実務経験と授業科目の関連性
講師は、長年日本語教育分野において、多様な国籍の人々と深く接する経験を持ち、現在も駒場の留学生相談室専属の教員として、留学生の日本生活の適応やカルチャーショック、文化間の対立の仲介、支援をその役割として担っている。海外派遣においては、JICA国際協力事業団の派遣で、タイ王国の大学に勤務し、様々な文化衝突、異文化コミュニケーションを経験しており、講義においては、こういった講師の経験についても紹介しながら学びを深めていく。