初回のガイダンス以降第4回までは、オスマン帝国史の概要を講義する。第5回以降は、担当者による発表と、参加者によるディスカッションにより授業を進める。
進め方は受講生の数によって変更がありうるが、現時点では、4点の専門書を受講生の希望によって選び、それぞれを前半と後半の2回に分けて読み、議論する。担当者は、担当部分の内容を要約したうえで、解説や批評を行う。担当者以外の受講生も、対象となる専門書を読んでおくことが望ましいが、難しい場合はその一部を配布する。
専門書の候補(この中から選ぶ)は以下の通り(追加する可能性もあり)。
新井政美『オスマン帝国はなぜ崩壊したのか』青土社,2009.
岩本佳子『帝国と遊牧民––近世オスマン朝の視座より』京都大学出版会,2019.
小笠原弘幸『イスラーム世界における王朝起源論の生成と変容—古典期オスマン帝国の系譜伝承をめぐって』刀水書房, 2014.
川本智史『オスマン朝宮殿の建築史』東京大学出版会,2016.
坂本勉『イスタンブル交易圏とイラン—世界経済における近代中東の交易ネットワーク』慶應義塾大学出版会, 2015.
佐々木紳『オスマン憲政への道』東京大学出版会,2015.
佐原徹哉『近代バルカン都市社会史—多元主義空間における宗教とエスニシティ』刀水書房, 2003.
澤井一彰『オスマン朝の食糧危機と穀物供給 : 16世紀後半の東地中海世界』山川出版社,2015.
鈴木董『オスマン帝国の権力とエリート』東京大学出版会,1993.
永田雄三『前近代トルコの地方名士—カラオスマンオウル家の研究』刀水書房,2009.
藤波伸嘉『オスマン帝国と立憲政―青年トルコ革命における政治、宗教、共同体』名古屋大学出版会,2011.
黛秋津『三つの世界の狭間で―西欧・ロシア・オスマンとワラキア・モルドヴァ問題』名古屋大学出版会,2013.
宮下遼『多元性の都市イスタンブル : 近世オスマン帝都の都市空間と詩人、庶民、異邦人』大阪大学出版会,2018.