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最終更新日:2024年4月22日

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比較地域史

東南アジア山地世界の歴史:「ゾミア論」を越えて
 本授業では東南アジア大陸部山地世界の歴史を扱う。山地、とりわけ東南アジアの山地世界の歴史といってもピンと来ないかもしれない。世界史の表舞台に現れることが少なく周縁的な位置づけを与えられてきた同地域であるが、多民族が当たり前に共生し、生態環境に応じた特徴的社会を育んできた独自の歴史を有する世界である。また、近年、ジェームズ・スコット著『ゾミア』が同地域を「国家支配を逃れる技術を進化させてきた世界」として描いたことでも注目されている。
 受講者は、同地域を多面的に論じる本授業を通じて、従来の歴史学が対象化してこなかった山地世界の歴史の特徴を理解するとともに、ゾミア論では捉えきれない、世界市場との関係や、中国と東南アジアを結ぶ地域としての役割などに考察を進めることにより、生態環境・地政学的視点とグローバルな視野をあわせ持って歴史を見る態度を身に着けることができるようになるはずである。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
50195
CAS-GC1B23L1
比較地域史
岡田 雅志
A1 A2
月曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
第1回 授業ガイダンス 第2回 東南アジア山地世界の概観 第3回 ゾミアとしての山地世界史①不可視化された歴史 第4回 ゾミアとしての山地世界史②脱国家の社会構造(前) 第5回 ゾミアとしての山地世界史③脱国家の社会構造(後) 第6回 ゾミアとしての山地世界史④脱国家の文化様式 第7回 総論:ゾミアの国家論 第8回 地域間交流の場としての山地世界①タイ文化交流圏 第9回 地域間交流の場としての山地世界②華人の世紀 第10回 世界市場と山地世界:シナモンを事例に 第11回 火器伝播と山地世界 第12回 現代のゾミア 第13回 総合討論:世界史における山地世界 *進捗状況に応じて、上記スケジュールを変更する可能性がある。
授業の方法
教科書は特に指定しない。毎回資料を配布・共有して授業を進める。 講義を中心とするが、第13回はグループディスカッションを実施する。 授業内容の理解を深めるために授業後のリアクションペーパーの提出を義務付け、次回授業において適宜フィードバックを行う。
成績評価方法
授業内課題(原則毎回のリアクションペーパー+ミニレポート1回+総合討論への取り組み1回)により評価する。
履修上の注意
高校までの世界史ではほとんど扱われない内容のため予備知識は不要であるが、日本を含む世界史の大まかな流れを理解していることを前提として授業を進めるため、不安のある学生は高校教科書、資料集等で適宜予習・復習を行うこと。