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最終更新日:2024年4月1日

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情報法学

情報法学
社会の情報化の進化形とも言えるデジタル化は、グローバル化と相俟って、社会経済活動のみならず、人間のさまざまな精神活動も含む、広い意味での「知」の在り方に、より広く深いインパクトを与えている。人工知能(AI)等の情報関連技術が促すデジタル変革(DX)に伴い、国境を越えるデジタル統治とルール形成をめぐる覇権争いが顕在化している。

本授業では、以下の三部構成の下で、情報の「自由」とその「規制」・「保護」の在り方に焦点を当てて、日米欧の比較法的観点を取り入れつつ、幾つかの具体的事例を取り上げる。そこでは、情報と法に関する基底的な諸価値・規範に関する原理論、対抗利益間の調整におけるバランスのとり方、及び、これらを体系化する理論枠組みやデザインについて、現在進行形で解決が模索されている争点にも触れながら、解説を加える。

授業の詳細な内容・方法は、第1回のイントロダクションで説明する。 
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
4913080
情報法学
山口 いつ子
S1 S2
火曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
学際情報学府
授業計画
具体的な進め方は、開講日に説明する。 第1回 イントロダクション 第1部(第2回~第4回) 情報の自由の価値原理と制度設計 情報・データ・知をめぐる価値創出とルール形成、自由・尊厳・共創、国境を越えるデータ統治と権力統制、権力分立と「抑制・均衡」、公/私・デフォルト/例外・公開/秘密の境界設定、個人・メディア・プラットフォーム、自由の限界と対抗利益間のバランス、表現の自由と人格権・名誉・プライバシー、SNSにおけるアカウント・コンテンツ管理、アルゴリズムのデザイン 第2部(第5回~第8回) 情報の自由と規制 民主主義社会における情報公開・説明責任・透明性、知る権利、国家秘密と報道・取材の自由、国家安全保障におけるアルゴリズムによる監視、経済安全保障とモバイルアプリケーション取引、媒体別(印刷・放送・通信)の規制枠組み、リスク・コミュニケーション、技術革新とわいせつ性、デジタル環境の情報流通における中間媒介者(intermediary)の責任、匿名の発信者と情報開示 第3部(第9回~第12回) 情報の自由と保護 プライバシー・個人情報、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)、忘れられる権利、プロファイリング、AIアルゴリズムのブラックボックス化と公正性・公平性、知的財産権と自由な情報流通、著作権と表現の自由、リツイートと著作者人格権、ソフトウェア開発とアメリカ著作権法上のフェアユース、デジタル環境のユーザーライツをめぐる憲法原理と私的秩序形成 第13回 情報法総論、全体的な議論・質問
授業の方法
双方向授業を中心に行う。 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、本シラバス記載時点の予定では、原則としてオンライン授業とし、今後の状況に応じてハイブリッド形式も検討する。 詳細は、ITC-LMSで通知する。
成績評価方法
本シラバス記載時点の予定では、以下のとおりとし、詳細はITC-LMSで通知する。 1)毎回の出席、2)議論への参加、及び3)毎回の授業レポートの提出を、単位取得の要件とする。
教科書
教科書は使用せず、授業資料を配布予定。
参考書
参考書として、例えば、長谷部恭男・山口いつ子・宍戸常寿編『メディア判例百選 第2版』(有斐閣・2018年)、曽我部真裕・林 秀弥・栗田昌裕『情報法概説 第2版』(弘文堂・2019年)、宍戸常寿・大屋雄裕・小塚荘一郎・佐藤一郎編著『AIと社会と法』(有斐閣・2020年)、松井茂記・鈴木秀美・山口いつ子編『インターネット法』(有斐閣・2015年)、宇賀克也・長谷部恭男編『情報法』(有斐閣・2012年)、中山信弘『著作権法 第3版』(有斐閣・2020年)、山口いつ子『情報法の構造―情報の自由・規制・保護』(東京大学出版会・2010年)、THE RIGHT TO BE FORGOTTEN (Franz Werro, ed., Springer 2020)、Itsuko Yamaguchi, A Japanese Equivalent of the “Right to Be Forgotten”: Unveiling Judicial Proactiveness to Curb Algorithmic Determinism, in THE RIGHT TO BE FORGOTTEN, at 291-310 (Franz Werro, ed., 2020) Springer, https://link.springer.com/***** ; Itsuko Yamaguchi, The Rise of “Global Information Law”: Centennial Perspectives on the Conceptualization of Japanese Information Law, 100 Journal of Information Studies 47-63 (2021), http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/***** ; 山口いつ子 「情報権力分立」情報学研究101号(2021年)39-61頁, https://www.iii.u-tokyo.ac.jp/***** 等を参照。
履修上の注意
受講生には、授業への積極的な参加を期待している。 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今後の対応について、詳細はITC-LMSで通知する。