大学院
HOME 大学院 原子力燃料材料学
過去(2022年度)の授業の情報です
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2024年3月15日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

原子力燃料材料学

 本講義では、原子炉の基幹コンポーネントである核燃料と構造材料およびこれらの炉内でのふるまい(環境劣化)について学習する。
 まず、原子炉の構成材料について概説し、これらの理解の基礎となる(材料科学分野)のうち関連する項目(結晶学、格子欠陥、材料強度の微視論、相変態論、熱処理と回復等)について学ぶ。
 これら基礎知識を元に、原子炉で生じる事象(照射損傷や腐食、応力腐食割れ、照射脆化等)を材料の視点と水化学の視点で学ぶ。炉型ごとに整理するとともに、新規開発の考え方を理解する。
 さらに核燃料物質の基礎的性質と安全取り扱い、核燃料のしくみと構成、設計、原子炉内でのふるまい、核燃料の照射試験、新型炉と新型燃料、核燃料に関する法令について学習する。
 さらにこれらの知識を実務に適用する際の考え方や課題などについても整理する。例えば燃料ペレットのサイズ変化は、セラミックスの焼きしまりによる体積減、照射欠陥の蓄積による体積増加、核分裂生成物の蓄積による体積増加等のバランスの時間発展によって決まる。このように、材料や燃料に生じる複雑事象を基礎学理に基づいて分析、理解する考え方を習得する。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
3794-007
GEN-NP5m61L1
原子力燃料材料学
阿部 弘亨
S1 S2
水曜
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
工学系研究科
授業計画
1. 原子炉燃材料の構成とその役割 2. 燃材料学基礎(結晶学、格子欠陥、材料強度の微視論、相変態論、熱処理と回復等) 3. 炉材料の仕組みと構成、特性 4. 放射線環境と照射損傷(1) 5. 放射線環境と照射損傷(2) 6. 腐食環境と水化学(1) 7. 腐食環境と水化学(2) 8. 再処理技術における材料学と核種の閉じ込め 9. 炉材料の安全性、規制、限界、検査、新材料開発 10. 核燃料物質の基礎的性質(化学的性質及び物理的性質) 11. 核燃料物質の安全取り扱いと関係法令 12. 燃料製造および燃料体の構成、設計、安全性 13. 燃料体の原子炉内でのふるまいと被覆管の役割(構造、強度、燃焼、照射影響等) 14. 燃料および燃料体の規制と限界、検査、新型燃料開発、定期検査 15. まとめ(本講義の資料全てを対象とした総合学習)
授業の方法
スケジュール 4月6日(水)@東大   AM 原子力燃料材料学 1,2              阿部   PM 原子力燃料材料/核燃料サイクル工学演習 1,2    阿部 4月20日(水)@東大   AM 原子力燃料材料学 3,4              杉野   PM 原子力燃料材料/核燃料サイクル工学演習 3,4    杉野 4月25日(月)@東大   AM 原子力燃料材料学 5,6              根本 5月18日(水)@東大   AM 原子力燃料材料学 7,8              根本 5月23日(月)@東大   AM 原子力燃料材料学9,10              白数 6月1日(水)@東大   AM 原子力燃料材料学11,12              天谷   PM 原子力燃料材料/核燃料サイクル工学演習 7,8    中村 6月15日(水)@東大   AM 原子力燃料材料学 13,14             天谷   PM 原子力燃料材料/核燃料サイクル工学演習 9,10   中村   (3限はサイクル、4限は燃材料) 6月20日(月)@東大   AM 原子力燃料材料学 15,16             白数 6月29日(水)@東大   AM 原子力燃料材料学 17,18             木内 7月13日(水)@東大   AM 原子力燃料材料学 19,20             木内 8月12日(金)補習 @東大   AM 原子力燃料材料学・原子力燃料材料学演習     阿部 8月16日(火)@東大   AM 原子力燃料材料学・原子力燃料材料学演習 期末試験 阿部
成績評価方法
 講義内容に基づき、基礎(材料科学)、実用(原子炉材料工学及び核燃料工学)、および複合的問題に関する知識を期末試験で問う。  試験には原子炉主任技術者試験及び核燃料取扱主任者試験のうち燃料および材料に係る問題を含み、国家試験合格に相当するレベルを問う。  追加でレポートを課すこともある。
履修上の注意
基礎を固める(分野別基礎)
その他
前提となる知識と項目: 「原子力燃料材料/核燃料サイクル工学演習」を受講するための講義である。 応用先_分野と項目: 材料学関連については、機器の劣化等の観点で「保全工学」に関連する。また「原子炉安全学」で学ぶ種々の事故事象を理解するうえでの基礎となる。  燃料関連については、燃料サイクルの流れとして「核燃料サイクル工学」に関連する。燃料体の構成と設計、基本的性質は「燃料炉心設計」に関連する。