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最終更新日:2024年3月15日

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科学技術社会特論2

科学技術は科学的知識に関する不確実性と技術の利用形態に関する不確実性という二重の不確実性をもつ。そして、科学技術の研究開発や利用活動には多様なアクターが関わり、そこには様々な利害が生じ、複雑なリスクトレードオフ構造が形成される。科学技術の社会導入は多様な社会的含意をもつ。社会経済活動がより重層的に繋がり相互依存性を高めている社会にあって、科学技術の研究開発・利用を巡る公共政策は極めて重要である。研究開発・利用を推し進める政策立案者や意思決定者は上述した科学技術の本質を踏まえたとき、如何なることに留意し社会的判断をなすべきだろうか。
本講義では、先端科学技術に関する意思決定支援アプローチである「テクノロジーアセスメント(Technology Assessment: TA)」の考え方・手法・制度を学習し、具体的な科学技術を取り上げ実践的にTA試みることを通して、上述のような問いについて考えていく。これまで受講生が取り上げてきた技術は、大規模洋上風力発電やジオエンジニアリングやスマートグリッドなどの環境・エネルギー分野、M2Mや仮想現実・拡張現実などの情報通信技術分野、角膜再生やBMIなどの健康・医療技術、宇宙デブリ除去技術、宇宙新輸送システム、自動運転技術、赤外線暗視カメラ、ウェアラブルIoT、医療分野へのAI導入、自動翻訳、ブロックチェーン技術、ゲノム編集技術等がある。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
3789-029
GEN-NM6402L1
科学技術社会特論2
松尾 真紀子
S1 S2
火曜3限、火曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
4
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
工学系研究科
授業計画
今年度は、初回講義時間(4月7日)にライフサイエンス分野、エネルギー・環境分野、情報通信分野における先端科学技術、及び大型(施設)研究の社会的影響について幅広く動向を知る新聞社論説室・科学部の方々より講演を頂くミニシンポジウムを開催する(→【変更】※当初シンポジウムを予定しておりましたがZOOMでの講義に変更しましたのでURLからご参加ください)。講義で実施するテクノロジーアセスメント(TA) は前記シンポジウムで報告される技術を対象とするので履修生は必ず参加すること。その後、先端科学技術に関する意思決定支援アプローチである「テクノロジーアセスメント(Technology Assessment: TA) *」の考え方・手法・制度について、欧米の政府機関の事例や国内におけるプロジェクトの事例を通して学習するとともに、分析の視座や手法(シナリオプラニングなど)について講義する。 T Aを実施するにあたって、人文・社会学系と理工学系の履修生を適切に配分しグループを編成し、各グループでブレーンストーミングや文献調査や学術・行政・企業などへのヒアリングを行い、将来の社会に対象とした科学技術が導入された場合の社会的影響や社会的含意を多面的に考察し、TAを試行的に実践する。TAの結果は特定の意思決定者(クライアント)を想定し、報告書として取りまとめるとともに発表を行う。なお、優れたTA報告書は、ポリシーリサーチペーパーとして公共政策大学院のホームページに掲載し社会に発信する。 *) TAとは、従来の研究開発・イノベーションシステムや法制度に準拠することが困難な先進技術に対し、その技術発展の早い段階で将来の様々な社会的影響を予期し、社会的対応案を提示することで、技術や社会の在り方についての問題提起や意思決定を支援する制度や活動を指す。 具体的な内容とスケジュールは以下を予定している(変更の可能性あり)。 #1:ミニシンポジウム(講義の狙い、TAとは何か、新聞社論説室・科学部の方による講演:ライフサイエンス分野、エネルギー・環境分野、情報通信分野の先端科学技術、大型(施設)研究の社会的影響) #2:シンポジウムの振り返り、TAの分析視座と手法(シナリオプラニングなど)、国内外のT Aレポートの学習割り当て #3:先端技術の研究機関見学(都内、調整中) #4:国内外のT Aレポートの概要発表と全体討論 #5:TAの対象技術の決定、グループ編成、グループワーク(アジェンダ設定等) #6-7:グループワーク(技術レビュー、ヒアリング等) #8:進捗報告と質疑・意見交換 #9-10:グループワーク(TA報告書のストーリーライン、最終報告の準備等) #11−12:グループワーク、場合によっては進捗報告と質疑・意見交換 #13:各グループからTA最終報告と総評 TA報告書提出期限は8月上旬を予定(変更の可能性あり)。
授業の方法
※オンライン授業URL欄に記載していた初回授業のzoomのリンクをITCLMSのリンクに置き換えました。授業のURLはITCLMSを通じて連絡します。オンライン受講を予定される方は登録をお願いします。オンライン授業URLから進んでください(2020年4月9日追記)。 初回講義時間に開催するシンポジウムへの参加(→【変更】※当初シンポジウムを予定しておりましたがZOOMでの講義に変更しましたのでURLからご参加ください)と担当教員による講義と議論とともに、政府行政機関・企業・研究所・NGOなど様々な関係者へのインタビュー等を行うことを通してTA報告書を作成する。最終回に、成果発表会を行う。 なお、グループワークでは理工学系と人文社会科学系を同数程度にして行うことにしたいと考えている。 ●本講義は、公共政策大学院(事例研究(テクノロジーアセスメント) )、STIG(科学技術イノベーション政策の科学教育プログラム)との合併授業である。 ●参考書 城山英明編『科学技術ガバナンス』東信堂、2007年 谷口武俊『リスク意思決定論』大阪大学出版会、2008年 小林傳司『誰が科学技術について考えるのか-コンセンサス会議という実験』名古屋大学出版会、2004年。 Grunwald, A. (2018). Technology Assessment in Practice and Theory. Routledge.
成績評価方法
授業参加状況および中間報告、成果発表、TA報告書(最も重視する)による。
履修上の注意
基礎を固める(工学部共通)
その他
前提となる知識と項目:特になし