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最終更新日:2024年3月15日

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シビルエンジニアの活躍する世界


シビルエンジニアは、実社会の中でどのような役割を果たしているのか。大学の講義で学んだ知識は、実務でどのように生かされているのか。国土づくりや建設分野の様々な立場で活躍する実務者が具体的プロジェクトの実例などを交えながら、シビルエンジニアが果たしている役割の現状ややりがいなどを伝えるとともに、建設分野を取り巻く環境の変化にあわせてシビルエンジニアの役割が今後どのように変わっていくのかについても考えながら、土木の魅力を探っていく。
具体的には、インフラ需要の旺盛な海外市場展開の事例紹介、i-Constructionに代表される建設現場の生産性向上、新分野に対する取組み事例紹介、国交省幹部による国土づくりに関する話題提供などを通じて、社会におけるシビルエンジニアの役割について学ぶ。また、建設現場のマネジメントや、技術開発の最前線である技術研究所の見学会、我が国の抱える危機に対応する戦略に関するケーススタディなども併せて実施し、多面的にシビルエンジニアの役割について学ぶ。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
3713-081
GEN-CE5m19L1
シビルエンジニアの活躍する世界
長山 智則
A1 A2
金曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
工学系研究科
授業計画
第1回 9/27 野坂・神谷 シビルエンジニアと国土づくり 第2回 10/4 藤本・早川 インフラ整備の最前線 第3回 10/11 秋・大迫 海外で活躍するシビルエンジニア 第4回 10/18 各社 プロジェクトのマネジメント 第5回 10/25 嵩・北原 ~生産性革命(1)~ 第6回 11/1 細見・小林 事例から学ぶ社会資本の戦略的展開(1) 第7回 11/8 木下・元村 ~生産性革命(2)~ イノベーションを現場で起こせ 第8回 11/15 清水建設 建設会社の研究開発の最前線(技術研究所見学) 第9回 11/29 細見・小林 事例から学ぶ社会資本の戦略的展開(2) 第10回 12/6 山名 公共空間利活用トレンドと連携誘発型工法マネジメントのいま 第11回 12/13 岐部 インフラ事業への挑戦 ~拡大するシビルエンジニアの役割~ 第12回 12/20 清水 建設会社の経営戦略とシビルエンジニア 第13回 1/10 山田技監 未来の国土づくりを担う皆さんへ 講義概要 9月27日 開講挨拶   三島 徹也(前田建設工業株式会社 執行役員ICI総合センター長) シビルエンジニアと国土づくり 野坂 周子(国土交通省 大臣官房 技術調査課 環境安全・地理空間情報技術調整官) 神谷 拓生(西松建設株式会社 社長室 人材戦略部長) 【シビルエンジニアの仕事の紹介~国家公務員編~(国土交通省 野坂調整官)】 本格的な人口減少局面を迎える中、激甚、頻発化する災害にどう対峙し、これからの国土づくりと向かい合うのか。自らが技術系官僚として携わってきた経験を紹介しながら、国土づくりに携わるシビルエンジニアに期待される役割について、学生諸君に期待することを語る。 【シビルエンジニアの仕事紹介~ゼネコン編~(西松建設 神谷部長)】 ゼネコンにおけるシビルエンジニアの仕事やキャリアパスについて、自らの経験をモデルケースとして紹介する。また、社会における土木の重要性とその中でゼネコンが果たすべき役割とその将来性について説明し、学生諸君に期待することを語る。 10月3日 インフラ整備の最前線 藤本 雄介(国土交通省 関東地方整備局荒川上流河川事務所 所長) 早川 哲史(国土交通省 関東地方整備局鹿島港湾・空港整備事務所 所長) 国土交通省が実施するインフラ整備の現地責任者が、現場での実体験などを語る。 【関東地方整備局荒川上流河川事務所 藤本所長】 日本の発展のために取り組まれてきた荒川の治水、利用にかかる土木事業の歴史を紹介した上で、気候変動により頻発・激甚化する災害への対応等の課題が明らかになる中、現場の技術系国家公務員として求められる役割について語る。併せて、これまで経験した災害対応等についても紹介する。 【関東地方整備局鹿島港湾・空港整備事務所 早川所長】日本各地の現場で起こる様々なことがらについて、何を問題意識として捉え、どう対処方針を立てるか、進めていくのか。現場事務所長の目線で実務を語る。 10月11日 海外で活躍するシビルエンジニア(海外で求められる能力) 秋 林鎬(株式会社大林組 土木本部営業推進部 部長) 大迫一也(清水建設株式会社 土木企画室長) 世界を舞台に大きなプロジェクトに携われる喜び、世界中の人達と手を取り合って苦難を乗り越え竣工にたどり着く喜び、自分が携わったプロジェクトにより地域の人々の生活が大幅に改善されるのを実感できる喜び。世界には日本のシビルエンジニアが活躍し喜びを実感できるフィールドが大きく広がっています。 本講義ではアジア、中東、米国などで建設工事に従事した国際経験豊かな講師2名が各プロジェクトでの自身の経験を紹介し、日本と世界との違いを解説するとともに、今後グローバルに活躍すべき日本のシビルエンジニアに求められる資質と能力について語ります。 10月18日 ~自由討議~ 現場で働くシビルエンジニアの生き様 松葉 保孝(大成建設株式会社 荒川宗岡副水路樋管新設工事 所長) 津村 匡洋(株式会社奥村組 横浜地下鉄関内工事所 所長) 村井 涼子(前田建設工業株式会社 外環東名北拡幅作業所 主任) 生川 寛之(鹿島建設株式会社 土木管理本部土木工務部 課長代理) 石松 信哉(鹿島建設株式会社 土木設計本部地盤基礎設計部 設計主査) 建設会社の事業の中核である「ものづくり」。その最前線である工事現場において、建設会社のシビルエンジニアは設計・計画・調達・施工のすべてのステップにおいてプロジェクトのマネジメントを行い、工事遂行の中心的役割を果たしている。 本講義では、多様なキャリアを持つ複数のシビルエンジニアを迎え、各々が何を生き甲斐に、どのような信念を持って働いているのか、実体験を元にパネルディスカッション形式にて討議する。学生諸君も交えた自由な討議の場としたく、活発な意見や質問等を期待する。 10月25日 生産性革命(1)  嵩 直人(鹿島建設株式会社 土木管理本部生産性推進部 生産情報グループ長) 北原 剛(大成建設株式会社 土木本部土木技術部技術・品質推進室 専任次長) 近年、AIやIoT、ICTといった先端技術の目覚ましい発展に伴い、産業界のあらゆる分野において既存のやり方、枠組みが見直され、全く新しい生産方法が取り入れられている。土木分野においても、「i-Construction」「CIM」などのキーワードに代表されるように生産活動が抜本的に見直されており、ここ数年様々な変革が行われている。 本講義では、ゼネコンの実務担当者が講師となり、土木分野における最新の動向を紹介するとともに、今後のシビルエンジニアの果たすべき役割について考える。 11月1日,11月29日 事例から学ぶ社会資本の戦略的展開 細見 暁彦(国土交通省 海岸・防災課 津波対策企画調整官) 小林 賢也(国土交通省 大臣官房 技術調査課 課長補佐) 東日本大震災や平成30年7月豪雨に代表されるように、近年災害が頻発・激甚化する中、この国土で豊かに生き続けるために、シビルエンジニアは自然やインフラとどのように向き合うべきだろうか。気候変動、人口減少といった局面を迎える中で、国土のあり方、インフラのあり方、人々の住まい方にも転換が必要であり、これまでに整備してきた既存のインフラや制度を最大限活用しながら、より安心・安全な国土の実現に貢献することが我々には求められている。 本講義では、近年の災害の傾向及び国土交通省における災害への対応事例を提示した後、未来に向けた新たな対応策や必要な制度に関してケーススタディを行う。 11月8日 ~生産性革命(2)~ イノベーションを現場で起こせ 木下 茂樹(株式会社奥村組 東日本支社 土木技術部 技術2課長) 元村 亜紀(株式会社大林組 生産技術本部 先端技術企画部 技術第一課 担当課長) 技能労働者の高齢化が進み、今後10年で大量離職が予想される我が国の建設業において、建設現場の生産性の向上が喫緊の課題となっている。抜本的な生産性向上を図るべく、3次元データの活用や画像処理、通信、AI等の技術の加速度的な進歩を取り込むことにより、今まで当たり前だったことが当たり前でなくなる、そんな変化が建設現場で起こっている。 本講義では、建設現場での最前線における革新的な最新技術導入への挑戦を紹介し、劇的に変化しつつある建設現場の将来について探る。 また、特に、建設分野では高度な機械化施工で高い生産性を実現し、今なお進化を続けている「シールドトンネル工事」にフォーカスし、その変遷、最新の施工技術やAI活用など今後の展望について紹介する。 11月15日 建設会社の研究開発の最前線(技術研究所見学) 林 大輔(清水建設株式会社 技術研究社会システム技術センター) 大学における基礎研究と社会で活用されることを主眼に置いた研究との違いに着目して総合建設会社の研究・開発の場を見学するとともに、その第一線で活躍する研究者との質疑応答を通じて研究所での仕事について理解を深める。 12月6日 公共空間利活用トレンドと連携誘発型広報マネジメントのいま 山名清隆(ソーシャルコンテンツプロデュサー/SCOP代表)  公共事業から交響事業へ。人と社会に新たな調和とハーモニーをもたらす土木の仕事の新しいスタイルを語ろう。人々が幸福になる公共空間とは何か。公共空間の利活用最新トレンドから信頼と評判といい関係を作り出す広報マネジメントの現場を探る。 実際に行われたプロジェクトを素材に対話型の講義で構成。 1.ミズベリングプロジェクトのいま 2.工事現場メディア化計画 3.多様に連携する技の身に付け方 4.交響事業マネジメント研究会 12月13日 インフラ事業への挑戦~拡大するシビルエンジニアの役割~       岐部一誠(前田建設工業株式会社 取締役常務執行役員)  日本は少子高齢化ならびに国・地方自治体の財政難と同時に、インフラの老朽化による莫大な維持・更新費の確保という相対する課題を抱えている。今後、従来通りの仕組みで現在のような質の高いインフラサービスを維持していくことは困難になると予想される中、民間の資金やノウハウをインフラ整備に活用するコンセッション等の官民連携手法に対する期待が高まっている。建設会社は、これまで建設請負事業で培ってきたエンジニアリング力を軸に、より効率的かつ持続的なインフラのマネジメントに取り組むことにより、その社会的役割を拡大させつつある。コンセッションの推進により、公共、利用者、民間それぞれがメリットを享受できる「三方よし」を実現することは、社会への更なる貢献になる。  本講義では、社会課題解決の方向性にいち早く着目し、コンセッションを推進してきた担当役員が、現在までの取組を自身のキャリアと共に紹介し、今後の展望について語る。 12月20日 建設会社の経営戦略とシビルエンジニア 清水琢三(五洋建設 代表取締役社長)  建設業を取り巻く事業環境は、国内にあっては東日本大震災をはじめ相次ぐ自然災害に対する復旧・復興や国土強靭化対策、東京オリパラ関連需要、増加するインバウンド関連需要など、海外にあっては政府による高品質のインフラ輸出の推進など、このところ国内外ともに良好である。一方で、担い手確保のために、週休二日を目指した働き方改革と現場の生産性向上に真正面から取り組んでいる。  海洋土木最大手の経営者が、自身の経験を基に、建設業を取り巻く事業環境ならびに経営戦略の変遷を振り返り、建設会社の経営戦略と求められる人材について語る。建設会社のシビルエンジニアには、技術的バックグランドを持って全体を見通せる俯瞰力が求められており、幅広い分野で多様な役割と期待を担っていることを紹介する。 1月10日 未来の国土づくりを担う皆さんへ 山田 邦博(国土交通省 技監) 我が国の持続的な経済成長や安全・安心で豊かな国民生活の実現は、今までも、そしてこれからも国土交通行政に携わる者のミッションである。国土交通省のトップとして国土づくりに携わる立場から、我が国が現在おかれている状況とそれへの対応、未来の国土づくりの可能性とそれを担う将来のシビルエンジニアへの期待を語る。
成績評価方法
ミニレポート40%,グループ討議発表20%,最終レポート40% ■ミニレポート(第6・9回を除く毎回) 各講義終了後に、ミニレポートを提出(講義の最後に記入時間を5分程度確保)   ミニレポートの内容:(1)理解度や関心度などに関する質問(択一式)             (2)講義内容に対する感想(記述式)             (3)講義内容に対する質問(記述式、任意)    ■グループ討議発表(第6・9回)  第6回の講義(約60分)後に、1グループ3~4人程度、数班に分かれ、提示されたケースについて各班で議論。各班は、11/14までに、プレゼ概要を提出する。第9回はプレゼを実施し、講師より講評を行う。  評価は各グループの発表内容の他、各個人の発表姿勢も対象に行う。 ■最終レポート 最終講義終了後に、講義全体を通しての最終レポートを提出する。  ・最終レポートの内容:自分が社会に出てやりたいことについて記述(A4×1枚程度)  ・レポートは、電子メールにて講義担当窓口(m-ohno@shimz.co.jp)に提出する。 ・レポートを送付するメールの件名に、「シビルエンジニアの活躍する世界:学生番号、氏名」を記載する。 ・レポートのファイル名は、学生番号、学生名とする。(例:10123yamada.doc)  ・講義担当窓口はレポートを受け取ったら、必ず返信する。 ・返信が無い場合、学生は講義担当窓口にレポート受け取りの問い合わせを行う。
履修上の注意
基礎を固める(工学部共通)