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最終更新日:2024年4月1日

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世界システム論I

計算社会科学:デジタル時代の社会科学の最前線
近年,社会科学とデータサイエンスの融合を目指す「計算社会科学(Computational Social Science)」と呼ばれる学際的な研究領域が勃興しつつある.大規模かつ高密度なデータの取得と処理・機械学習を用いたこれらデータの分析など,計算機をインテンシブに用いた分析手法を,オンラインプラットフォームから得た観察データ・実験データ・サーベイデータなど,様々な様態の社会データに適用する研究が,欧米を中心に活発に展開されている.

この演習では,計算社会科学の入門的・基礎的な文献を輪読することを通して,こうした新たな社会科学の潮流が様々な社会現象の理解に対して何をもたらしうるのかを,受講者とあれこれ議論しながら考えていきたい.
初学者を含め,人文社会科学の幅広い分野からの参加を歓迎する.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31M230-0390S
GAS-SI6A03L1
世界システム論I
阪本 拓人
S1 S2
月曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
今年度は,計算社会科学の標準的な教科書である下記書籍で紹介されている研究の原典論文を読む. マシュー・サルガニック(瀧川裕貴・常松淳・阪本拓人・大林真也共訳),2019年,『ビット バイ ビット:デジタル社会調査入門』,有斐閣. 詳しくは初回授業時に指示するが,受講者は上記書籍にざっと目を通した上で,各自の関心に沿う論文を選んでその内容を報告することになる. 同書で紹介されている研究は,その多くが計算社会科学界隈で広く知られているものであり,たとえば下記のようなものが含まれる. ・携帯電話の通話ログとサーベイを用いた途上国の貧困の研究 ・ソーシャルメディアのデータを利用した権威主義国家の検閲行動の研究 ・オンラインサーベイを用いた選挙の結果予測 ・電力使用量のデータを用いた社会規範の影響に関する実験 ・ソーシャルメディアの投稿内容の操作による感情の伝播の実験 ・マスコラボレーションを用いた各国の国政政党のマニフェストのコーディング 中には倫理上論争を巻き起こした研究もあり,授業では計算社会科学の技術的・方法論的側面だけではなく,倫理的課題も含め広く議論できればと考えている.
授業の方法
*コロナウィルスの流行により当面はZoom等を活用したオンライン授業を行う. 文献の輪読と議論
成績評価方法
議論への参加度
教科書
なし
参考書
マシュー・サルガニック(瀧川裕貴・常松淳・阪本拓人・大林真也共訳),2019年,『ビット バイ ビット:デジタル社会調査入門』,有斐閣. (原著:Salganik, Matthew J. Bit by Bit : Social Research in the Digital Age. Princeton, NJ: Princeton University Press, 2017)
履修上の注意
特にない.計算社会科学の初学者を想定しているので,機械学習・統計・プログラミング等に関する前提知識や経験は必要ない.
その他
計算社会科学のより実践的な側面(オンラインデータの取得や機械学習を用いたデータの分析など)に関心のある受講者は,Aセメスターに実験実習形式の授業を開講するので,あわせて受講されたい.詳しくは授業時に案内する.