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過去(2020年度)の授業の情報です
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最終更新日:2024年4月22日

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外国語としての日本語教育I

「レビュー論文」を書いてみよう
(2020年4月1日更新)
(2020年4月4日更新) ITC-LMSに4月7日分資料アップロード通知

「外国語としての日本語教育」を履修希望の皆さん,
担当・宇佐美洋です。今学期は対面の授業ができなくなってしまいましたが,オンラインで,可能な限りの学びを得てもらえるよう,力を尽くしたいと思います。よろしくお願いします!

このシラバスは,今後も随時変更されることがあります(冒頭に更新日を記載してあります)。今後も頻繁にアクセスし,最新情報を確認するようにしてください。

***

 修士論文や博士論文を書く際には,まず最初の章で,「研究にいたった背景,研究の目的」などを述べた上で,第2章あたりで「先行研究レビュー」をまとめることになるでしょう。しかし,自分の研究となにがしかの共通点のある論文を列挙し,紹介するだけでは「レビュー」とはなりません。
 「これまでこのような研究がたくさん行われてきた,しかし,私が扱おうとしているテーマを直接扱っている研究はまだない(少ない)」という主張はよく目にします。しかしそれでは,「あなたのテーマには研究の意義が薄いから,これまであまり扱われてこなかっただけなのでは?」と問われたら反論のしようがないのではないでしょうか。
 修士論文・博士論文でのレビューの章では,「あなたの研究を先行研究の中に位置づける」ということが必要になります。そのためには,先行研究を列挙するだけでなく,それらを適切に「グルーピング」した上で,それぞれのグループの関係(全体としてどういう潮流に乗って研究が進んできたのか,研究にどのような「発達段階」が認められるか,グループ間に対立があるとすればそれはどのようなものか,など)を示さなければなりません。その上で,あなた自身の研究テーマはそのグループのどこに位置づけられるのか(あるいはどのグループにも位置づかない独創的なものなのか)を示すことが求められます。
 この授業では,履修者それぞれに,自分にとって関心のある研究分野の論文をできるだけ多数集め,それらを要約し,自分の見識によって分類整理をしてもらった上で,最終的には1本のレビュー論文としてまとめていってもらいます。みなそれそれに興味関心は違うと思うので,論文収集とその要約はそれぞれ自律的に進めてもらうことになります。一方で,集めた論文を分類整理し,全体像を明らかにしていくにあたっては,途中案を他の学生にも見てもらい,お互いにコメントし合いながら,できるだけよい「まとめ」を作っていってもらいます。
 自律性および協働性の高い学生の皆さんの参加を期待しています。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31M200-1250S
GAS-LI6E05L1
外国語としての日本語教育I
宇佐美 洋
S1 S2
火曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
第1週: zoom接続練習セッション この週には,zoomミーティングを開設し,履修を希望する人の接続をお待ちしています。参加用URLはこのページ末尾に出ています。 このミーティングでは,教員から授業の進め方,学生の皆さんに準備しておいてほしいことなどを連絡するとともに,学生の皆さんと直接お話をし,皆さんの興味関心等を確認します。また,教員・学生双方がzoomの操作に慣れるための練習の機会とします。 zoom接続の準備ができた学生は,できるだけ参加することをお勧めします。ただし参加は義務ではなく,この日行ったことは成績評価の対象にはなりません。 この日の資料をITC-LMSにアップロードしました。この日のミーティングに参加予定の方は,あらかじめ資料をダウンロードしておいてください。 ダイレクトリンク:https://itc-lms.ecc.u-tokyo.ac.jp/***** もしこの日のセッションに出席できないけれど,この授業の履修を検討している人は,担当教員宛に連絡してください。 第2週: 未定 履修希望者の中で,この時点でまだネット環境が十分整っていない,という人が確認できた場合,この週は休講とします。もし履修希望者のネット環境に問題がなければ,この日から授業を開始することとします。 授業が開始できた場合は,以下のようなことを行います。 * 「ストーリー作り」演習:自分が興味を持っている分野(できれば研究テーマとはあまり関係のない分野がよい。芸術・文学・科学・スポーツ・映画・マンガ・演劇・趣味関係などなんでもOK)において,「主要な登場人物」または「主要な出来事」を複数取り上げます。そして,それらの間の通時的つながり,共時的関係などがわかるような「ストーリー」を作り,他のメンバーに語って聞かせます。その「ストーリー」を聞いた人が,取り上げた分野の「全体像」が概略理解できるよう,紹介する「人物」または「出来事」を選んでください。 第3週以降は,その時の状況を見ながら,以下のような作業を行っていきます。 *レビュー論文・展望論文の購読・批判的検討・発表 *自分の研究領域の論文の収集・要約 *研究領域の全体像把握 *レビュー論文執筆 *プレゼンテーション,ディスカッション
授業の方法
学生自身による個人作業,グループ作業とディスカッションが主体となります。 基本的に対面での話し合いはできませんので,グループ作業やディスカッションはやややりにくくなりますが,zoomのブレイクアウト(参加者を小グループに分けての話し合いを可能とする機能)やホワイトボード機能,オンラインチャットツールであるSlackなどを活用していく予定です。
成績評価方法
授業への参加状況(授業内での提出物・プレゼンテーション等含む),最終レポート
教科書
特にありません。必要あれば適宜授業内で指示します。
参考書
特にありません。必要あれば適宜授業内で指示します。
履修上の注意
 この授業は,自分が研究したい分野の先行研究を「紹介してもらえる」授業ではありません。自分自身が現在何に関心を持っているのかを明確にし,その分野について,自力で情報収集をし,自力でまとめていく必要があります(もちろん,興味関心が近い学生同士,協力しあって作業を進めてもらうこともできます)。他の参加者に対しても何がしかの貢献ができるよう,自分なりの問題意識を明確にした上で参加することをお勧めします。  一方で,自分の研究テーマがまだぼんやりとしか決まっていない学生が,多くの論文を収集,読破,要約することで,自分の進むべき方向を明確にしていくための手がかりにしてもらうことも可能です。  いずれにせよ,授業の中での自分の立ち位置を考え,自律的に活動してもらうことは不可欠になります。このことを十分r会した上で履修してください。