1980年代以降、英語圏ではさまざまな文学理論・批評理論が台頭しましたが、現在の研究のパラダイムが広義の「歴史主義」に規定されていることはほぼ間違いないでしょう。しかしながら2000年代以降、"New Formalism"や"New Aestheticism"、あるいはRita Felskiのいう"Postcritique"などのかたちで、支配的な歴史主義的研究手法への批判や代替案も提起されてきています。
本授業では、こうした近年の動向を受けつつ20世紀初頭から現代までの文学批評の展開を大胆に再解釈したJoseph Northの_Literary Criticism: A Concise Political History_ (2017)を読みます。批評史のあらましを理解すると同時に、「歴史主義」以降の批評・研究のあり方を考えます。余裕があればこの本で言及されている近年の重要論文などもピックアップして、近年の研究動向を把握しつつ、参加者各自がみずからの研究関心に接続することを目標とします。
なお、最初の2週(4月10日と17日)はオンライン授業のトライアル期間として、学生のオンライン授業参加可能性や接続の状態などを確認しつつガイダンスを行いますが、この出席は成績評価には含めません。受講準備の整っている学生は参加してください。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31M200-0720S
GAS-LI6C14S1
国際コミュニケーション演習II
秦 邦生
S1
S2
金曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
総合文化研究科
授業計画
参加者で分担して、以下のチャプターについて2〜3週ずつかけて内容要約と議論を行います。
Introduction
1 The Critical Revolution Turns Right
2 The Scholarly Turn
3 The Historicist/Contextualist Paradigm
4 The Critical Unconscious
Conclusion: The Future of Criticism
その後時間的な余裕があれば、本書で言及されている近年の重要文献をピックアップして、追加で読んでゆきます。
授業の方法
参加者で担当箇所を分担し、内容要約と議論を行います。
成績評価方法
授業への貢献度と期末レポートによる総合評価。
教科書
Joseph North, _Literary Criticism: A Concise Political History_ (Harvard UP, 2017)
ISBN-10: 0674967739
ISBN-13: 978-0674967731