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最終更新日:2024年4月1日

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地域アイデンティティ複合II

ポスト植民地期におけるフランスとアフリカとの関係
19世紀の末にフランスによって植民地化されたアフリカ地域(仏領西アフリカ、仏領赤道アフリカ、マダガスカル等)は、20世紀前半において「フランス帝国」の枢軸をなした。だが、第二次世界大戦を経てフランスの植民地体制が再編されるなかで、アフリカ地域の各植民地は、主に1960年にフランスからの独立を遂げていった。こうしてポスト植民地体制が定立される動向にあって、逆説的ながら、アフリカ地域の旧フランス植民地は脱植民地化に向かうことなく、新植民地主義に緊縛されてゆく。第5共和政のフランスにとって、アフリカはもはや「帝国」の一部ではなくなったものの、フランスが国際的なプレゼンスを高め、維持してゆく上で不可欠の役割を担わされることになったのである。
本授業は、植民地化以来のフランス-アフリカ関係を踏まえつつ、このようなポスト植民地状況が新植民地化に結びつく動向を、具体的な事例や人物(ドゴール、フォカール等)を挙げて把握し、現代フランスの対外関係の一端について考察することを目標とするものである。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31D220-0122A
GAS-AS6A12L1
地域アイデンティティ複合II
森山 工
A1 A2
金曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
フランスとアフリカをめぐる植民地化の歴史について、マダガスカルを事例として、前植民地期から植民地期、ポスト植民地期を通して概観した上で、第5共和政のフランスとアフリカ地域の旧植民地諸国との関係について、以下の「教科書/Textbook」の項目に挙げる文献を中心に通覧しつつ把握する。
授業の方法
講義、ならびに指定文献の輪読と精読によって授業を行う。適宜、受講者による研究発表と討議を取り入れる。
成績評価方法
発表等による授業への貢献度、および期末(ターム末)レポートによって成績を評価する。
教科書
Jean-Pierre Dozon, « L’état français contemporain et son double, l’état franco-africain », Les Cahiers du Centre de Recherches Historiques [En ligne], 30, 2002.  <https://journals.openedition.org/***** Jean-François Médard, «« La politique est au bout du réseau ». Questions sur la méthode Foccart », Les Cahiers du Centre de Recherches Historiques [En ligne], 30, 2002.  <https://journals.openedition.org/***** フランソワ=グザヴィエ・ヴェルシャヴ『フランサフリック-アフリカを食いものにするフランス』(大野英士・高橋武智訳)、緑風出版、2003年.
参考書
François-Xavier Verschave, Noir Silence: qui arrêtera la Françafrique? Paris: Les Arènes, 2000. Pierre Péan, L'Homme de l'ombre: éléments d'enquête autour de Jacques Foccart, l'homme le plus mystérieux et le plus puissant de la Ve République, Paris: Fayard, 1990. トム・バージェス『喰い尽くされるアフリカ-欧米の資源略奪システムを中国が乗っ取る日』(山田美明訳)、集英社、2016年. 平野克己『経済大陸アフリカ-資源、食糧問題から開発政策まで』中公新書、2013年. その他、授業のなかで適宜指示する。
履修上の注意
フランス語中級以上の読解能力があることが望ましいが、必須とはしない。