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最終更新日:2024年4月22日

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地域アイデンティティ複合II

コルシカ・フィールドワーク・関係性
 本授業では、フランス地域圏に属するコルシカを舞台に設定し、そこにおける文化のあり方を考察する。とくに、コルシカにおける文化人類学的なフィールドワークによって、どのようなコルシカ文化像が描けるのかを検討することを目的とする。
 コルシカは、言語的にはイタリア語との近接性が強い言語を有しており、1769年にフランスの支配下に組み込まれて以降、フランス内部でのその文化の独自性が着目されるとともに、政治的・制度的な位置づけが問題とされてきた。そこには、コルシカの「島嶼」としての地理的な条件も大きく影響している。コルシカが「島嶼」という地理的な「実体」であることから、コルシカ文化とされるものも一様かつ均質な「実体」であるという一種の思いなしが導かれてきたのである。
 本授業では、コルシカ文化が一様かつ均質的な「実体」であるとするこの思いなしを批判的に検討する上で、緻密な文化人類学的フィールドワークにもとづく研究成果を題材として取り上げる。それを通じて、コルシカに住まう人々(一時的な滞在者を含めて)が、どのような文化的な実践を行いつつ、みずからの内部にさまざまな境界線を引いているのかを明らかにするとともに、人々の界面としてのその境界線が、どのように人々を分離し、また接合しているのかを考察する。
 本授業ではまた、このような作業を経由して、フィールドワークという学的営為そのものへと考察を深めたい。それにより、フィールドワークの特性とともに、フィールドワークの成果としての文化の描き方について、方法論的な関心を向けることとする。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31D220-0120A
GAS-AS6A12L1
地域アイデンティティ複合II
森山 工
A1 A2
金曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
「教科書/Textbook」の項目に挙げる文献をテクストとして用い、それを精読しつつ討議を行うことで、授業を進める。
授業の方法
上記テクストの輪読による精読と討議によって授業を行う。
成績評価方法
授業への貢献度、期末レポートによって成績を評価する。
教科書
Matei Candea, Corsican Frangments: Difference, Knowledge, and Fieldwork, Indiana University Press, 2010.
参考書
Charlie Galibert, La Corse: une île et le monde, Presses Universitaires de France, 2004. Charlie Galibert, "L'épistème ethno-anthropologique corse: de l'observation distanciée à la tentation de d'une ethnologie de l'acteur," Espaces Temps.net: revue indisciplinaire de sciences sociales (https://www.espacestemps.net/articles/episteme-ethno-anthropologique-corse/). Janet Carsten, ed., Cultures of Relatedness: New Approaches to the Study of Kinship, Cambridge University Press, 2000. その他、授業のなかで適宜指示する。
履修上の注意
フランス語の知識は前提としない。また、人類学にかんする予備知識も前提としない。