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最終更新日:2024年3月15日

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テクスト受容論I

Aphra Behn の "Oroonoko" を読む
ヴァージニア・ウルフによって女性英文学の伝統の創始者と評されたアフラ・ベーン。彼女が1688年に発表した散文の物語 "Oroonoko" は、1980年代のフェミニストによる再発見、1990年代のポストコロニアル批評による再解釈を経て、近年その重要性があらためて見直されている。作品の舞台はイギリスの植民地であった南米のスリナム。主人公のオルノーコはアフリカ出身の奴隷でありながら、ヨーロッパの貴族的価値観を体現する人物として造形されており、作品全体は奴隷貿易に批判的であるように見えながら、植民地主義と共犯関係にあるとの解釈も可能である。また、近代小説の先駆と位置づけられている一方で、中世以来の騎士道ロマンスの伝統に依拠した部分も大きい。本授業では、そうした複雑な様相を帯びたこのテクストを丁寧に精読すると同時に、近年発表された主要な批評を読みながら、そこで提起されている人種、ジェンダー、ジャンル等の問題を考察する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31D200-0970A
GAS-LI6D07L1
テクスト受容論I
小林 宜子
A1 A2
火曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
1) イントロダクション(英文学史における位置づけ) 2)~8) 『オルノーコ』の精読 9) アフラ・ベーンの他の著作との関連、および『オルノーコ』の自伝的要素についての考察 10) 王政復古期の政治的イデオロギーとの関連 11) フェミニストによる再評価 12) ポストコロニアル批評による再解釈 13) 旅行記・ロマンス・小説等の多様なジャンルの混在
授業の方法
イントロダクションは講義形式。それ以外は受講者による訳読や発表、ディスカッションを中心に授業を進める。
成績評価方法
毎回の授業への貢献度と学期末レポートの内容を併せて総合的に評価する。
教科書
Aphra Behn, "Oroonoko: An Authoritative Text, Historical Backgrounds, Criticism (Norton Critical Editions)" を使用する。
参考書
授業開始後に指示する。
履修上の注意
予習の際には、テクストの精緻な読みを心掛けるとともに、関連する一次・二次文献を積極的に調査し、授業で議論すべき論点やレポートで扱うべきテーマを考えておくことが重要である。