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最終更新日:2024年3月15日
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テクスト受容論I
Aphra Behn の "Oroonoko" を読む
ヴァージニア・ウルフによって女性英文学の伝統の創始者と評されたアフラ・ベーン。彼女が1688年に発表した散文の物語 "Oroonoko" は、1980年代のフェミニストによる再発見、1990年代のポストコロニアル批評による再解釈を経て、近年その重要性があらためて見直されている。作品の舞台はイギリスの植民地であった南米のスリナム。主人公のオルノーコはアフリカ出身の奴隷でありながら、ヨーロッパの貴族的価値観を体現する人物として造形されており、作品全体は奴隷貿易に批判的であるように見えながら、植民地主義と共犯関係にあるとの解釈も可能である。また、近代小説の先駆と位置づけられている一方で、中世以来の騎士道ロマンスの伝統に依拠した部分も大きい。本授業では、そうした複雑な様相を帯びたこのテクストを丁寧に精読すると同時に、近年発表された主要な批評を読みながら、そこで提起されている人種、ジェンダー、ジャンル等の問題を考察する。
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