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最終更新日:2024年4月22日

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学術フロンティア講義 (調査でみる社会、歴史、アジア)

調査でみる社会、歴史、アジア
 本講義は、学部教育の総合的改革の一つとして、本郷地区キャンパスに設置された社会科学研究所、史料編纂所、東洋文化研究所の本郷文系研究所が連携・協力して開講する、学部前期課程2年生を対象とした、研究擬似体験型の講義である。
 3研究所の教員が、それぞれの分野の研究者の立場から、調査とは何か、なぜ調査を行うのか、調査を解釈する上で大切なことは何か、といった問いについて解説する。具体的には各研究所で実際に研究をしている調査事例や調査対象などに直接・間接に触れることで、調査を行う上での基本と醍醐味を学ぶ。
 講義を通じて、受講者は後期課程進学後のあらゆる専門教育で必要とされる、調査に関する心構えや基本的な技法(「調査研究リテラシー」)を身につけることを目的とする。文系、理系を問わず、将来研究者となることに関心を持つ学生にとって特に有益な授業である。

【参考 3研究所の概要】
史料編纂所:
古代から明治維新期に至る前近代日本史史料に関する研究所。史料編纂事業の歴史は古く、塙保己一が江戸幕府の援助を得て創設した和学講談所にまで遡る。附置研究所としては1949年に設置。国内外に所在する各種史料の蒐集と分析を行い、これを史料集として編纂・公開する研究事業を通じ、広く日本史研究に寄与することを目的とする。

東洋文化研究所:
「東洋文化に関する綜合的研究」を目的として、1941年に創設されたアジアに関する専門研究所。調査の対象は研究者によって多様だが、アジア全域にわたるそれぞれの対象地域について、資料調査と現地調査に基づき、政治、経済、宗教、歴史、考古、文学、美術など、さまざまな角度から、日々精力的に研究を進めている。

社会科学研究所:
敗戦後の東京大学再生のための最初の改革として、南原繁総長(当時)のイニシアティヴによって1946年に設置。戦時中の苦い経験の反省のうえにたち、「平和民主国家及び文化日本建設のための、真に科学的な調査研究を目指す機関」として構想された。法学・政治学・経済学・社会学の4つの社会科学のディシプリンを総合して研究を進めている。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31727
CAS-TC1100L1
学術フロンティア講義 (調査でみる社会、歴史、アジア)
真鍋 祐子
S1 S2
金曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
ガイダンス(4/9 16:50〜18:35@オンライン) 履修登録予定者は、オンラインにて社会科学研究所、史料編纂所、東洋文化研究所の幹事教員から各研究所、講義計画の説明を受ける。2回目以降も以下のようにオンラインにて講義を行い、12・13回目は社会科学研究所、東洋文化研究所にて総括を行う。 東洋文化研究所(4/16、4/23、4/30  16:50〜18:35@オンライン) 講義担当教員:秋葉淳(4/16)、馬場紀寿(4/23)、青山和佳(4/30) 真鍋祐子(幹事)  アジアを調査対象とする東洋文化研究所では、アジアに関する文献資料、造形資料、調査資料などさまざまな形態の資料のなかから当該年度の担当教員が普段の調査で扱っている資料を取り上げ、資料の特性、収集・整理のし方、内容の把握、読み解き方、研究への活用のし方を説明した上で、受講者に資料を提示して実際に取り組ませ、そこから得ることができた知見について議論し合う。こうした調査活動を通じてアジアをさらに身近に感じ、最先端のアジア研究における多様な調査方法を学ぶことを目的とする。 社会科学研究所(5/7、5/21、5/28、 16:50〜18:35@オンライン) 講義担当教員:石川博康(5/7)、近藤絢子(5/21)、永吉希久子(5/28)、丸川知雄(幹事)  社会科学研究所が担当する講義では、法学、経済学、社会学の分野における実証的な研究の方法と手段について解説する。今年度は契約行動の実証研究、政府の作成する統計、世論の把握のしかたについて取り上げる。社会のなかで建設的な議論をするうえで事例や統計や世論調査の数字といった証拠(エビデンス)を示すことは有効であるが、そうした証拠がどのように作られているのかを知っておくことが大事である。3回の講義を通じて、社会認識の基盤となる証拠の作られ方を学ぶ。 史料編纂所(6/4、6/11、6/18、6/25 16:50〜18:35@オンライン) 講義担当教員:山口英男(6/4)、末柄豊(6/11)、鶴田啓(6/18)、杉本史子(6/25)、遠藤基郎(幹事)  歴史学の「調査」は主に「史料調査」として行なわれ、研究の材料である「史料」を発見し、分析の俎上に載せる工程全般を指す。史料編纂所では、調査による史料情報を多くの研究者が使える形にすること=「研究資源化」に取り組んでいる。史料調査の実際の過程は史料の性格、存在形態等によって異なる。講義では、史料所蔵者や資料そのものの特性を考慮した方法を用いる多様な史料調査の姿を示す。研究資源化の過程では史料の性格を明らかにするための基礎的な分析(解釈)が必須であり、それも含め調査成果が広く研究に利用されるための道筋なども紹介する。 総括討論(7/2 17:40〜19:25@社会科学研究所・本館3階308ゼミ室、7/9 17:40〜19:25@東洋文化研究所3階第2会議室)  3つの研究所の活動に触れてわかったことを議論する。その上で、各自が調査についての考えをまとめる作業をおこなって、終了とする。
授業の方法
 授業では、受講者はまずガイダンスで3研究所の活動について知った上で、社会科学研究所、史料編纂所、東洋文化研究所の順に各研究所を実際に訪れて研究の場の雰囲気に触れつつ、それぞれに所属の研究者からオムニバス形式で講義を受ける。  講義は、それぞれの研究所の会議室で、講義者による60分間の報告と45分間の質疑応答を原則としたかたちで行い、通常の研究セミナーの形式を擬似体験する。受講者には質疑への参加が求められ、積極的な発言が期待される。講義の最後の2回は、3研究所からそれぞれ1名の研究者が参加し、総括討議を受講者も含めて行う。  受講者には、各研究所のオムニバス講義が完了する毎に、計3回のレポート提出が求められる。各研究所は、研究所単位で独自のレポート課題を受講者に提示する。提出されたレポートに対しては、各研究所から提出者にリプライレターを戻すこととする。受講者は特に事情がない限り、13回の全講義の受講が求められる。
成績評価方法
出席状況とレポートの内容によって、合否の評価を行う。
履修上の注意
履修予定者は4月9日のガイダンスに必ず出席すること。