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最終更新日:2024年3月15日

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学術フロンティア講義 (数理工学のすすめ)

数理工学のすすめ
数理工学とは,工学的問題解決のための数理的手法を(必要とあれば新しい概念や原理も)創り出す学問のことです.(http://www.keisu.t.u-tokyo.ac.jp/***** も参照してくだい.) 本講義では,数理工学において,どのようにして,新しい原理や数理的手法が開発され,発展していったか(発展しつつあるか)について,実例を交えて解説します.とくに,以下の7つの話題を扱います.

・動的現象のモデリング入門
自然,人工物,社会には複雑な動的現象が多く存在し,それらを理解・制御するためには数理モデリングと解析が不可欠です.モデリングがどのようになされるか,またどのような解析方法があるのか,いくつかの例を用いて解説します。

・組合せ最適化入門
巨大な有限の組合せの中から最良の解を効率良く求める「組合せ最適化」の理論とアルゴリズムの入門的な解説を行います。

・数値計算入門
科学・工学で現れる諸問題は,多くの場合解析的には(紙と鉛筆では)解けず,計算機による「数値計算」に頼る必要があります.計算機で問題を解くとはどういうことか,その際にどのような困難が現れどのように克服するのかについて概観します.

・機械学習の数理
機械が学習するということはどういうことか?数理工学の立場からその基本原理を紹介することで,深層学習やカーネル法といった機械学習手法に対する数理工学的アプローチを解説します.

・計算幾何入門
科学・工学の諸問題に現れる幾何データを計算機上で効率的に取り扱うための理論やアルゴリズムを、いくつかの例を用いて解説します。

・大規模線形システムの可制御性スコア
最近,指導学生と共に可制御性スコアという概念を考案しました.可制御性スコアは,ある凸最適化問題の一意な解として定義され,射影勾配法というアルゴリズムで効率的に求めることができます.本講義では線形システムの可制御性の説明から始めて可制御性スコアという新しい概念をどのように考えたかということを説明します.

・暗号と量子アルゴリズム
現代の情報社会において安全性を保証するために暗号理論は必須の基盤技術である.特に,公開鍵暗号はインターネット通信などで用いられる重要な概念だが,現在用いられている公開鍵暗号方式は量子アルゴリズムによって効率的に破られることがわかっており,量子アルゴリズムに対しても安全な耐量子計算機暗号の開発は暗号理論における喫緊に解決すべき課題である.本講義では,耐量子計算機暗号の背景と現代暗号を破る量子アルゴリズムについて解説する.

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※このゼミは4月6日(水)6限(18:45~)Zoomで行われる工学部合同説明会への参加を予定しています。ZoomのURLは後日UTAS掲示板のお知らせにて周知いたします。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31499
CAS-TC1100L1
学術フロンティア講義 (数理工学のすすめ)
郡 宏
S1 S2
木曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
90分授業(17:05~18:35)です. 第1回 (4/7) 郡宏 数理工学のすすめガイダンス  + 動的現象のモデリング入門 第2回 (4/14)、 第3回 (4/21) 平井 広志 組合せ最適化入門 第4回 (4/28) 第5回 (5/12) 松尾 宇泰 数値計算入門 第6回 (5/19) 第7回 (5/26) 鈴木 大慈 機械学習の数理 第8回 (6/9) 第9回(6/16) 谷川 眞一 計算幾何入門 第10回 (6/23) 第11回(6/30) 佐藤一宏 大規模線形システムの可制御性スコア 第12回(7/7) 第13回(7/14) 高安 敦 暗号と量子アルゴリズム
授業の方法
講義
成績評価方法
7テーマの講義のうち4テーマについて,講義内容のまとめと感想,自分自身でさらに調べた事,講義中の例題の解などをレポート形式で提出する. 詳しくはITC-LMSを参照.
履修上の注意
毎回出席を取ります.