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最終更新日:2024年4月22日

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表象文化論

「歴史」の表象文化論──歴史表象と歴史経験の諸問題
わたしたちは歴史や過去の事象を歴史学の学術的な言説からのみ知るのではない。パーソナルな場では故人の遺品や書き残した文書、より公共的には遺跡や遺物などとの直接的な接触を通して、間接的には写真・映像・記録音声のほか、歴史を扱った小説や映画といったフィクションを媒介に、わたしたちは過去に触れている。その経験を「歴史経験」、そこで媒体となるものを「歴史表象」と呼ぼう。この授業ではまず、文学・写真・映画などの各ジャンルにおける具体的な歴史表象の事例を取り上げ(教員の研究テーマとの関係から、戦争やホロコーストに関わる事例が中心となる)、それらがもたらす歴史経験について検討する。そのうえで歴史経験に関する歴史理論・歴史哲学的な考察への導入を行なう。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
30819
CAS-GC1A31L1
表象文化論
田中 純
S1 S2
水曜5限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
31879
CAS-GC1A31L1
表象文化論
田中 純
S1 S2
水曜5限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
第1回(4月8日)と第2回(4月15日)は休講とするが、ITC-LMSで教材を指示するので(第2回目までにはアップします)、受講希望者はこの間にそれを読んでおくこと。第3回はガイダンス。アルベール・カミュ『ペスト』(宮崎嶺雄訳、新潮文庫、Kindle版あり)はできるだけ早めに読んでおくこと。 第1回・第2回 休講 第3回 ガイダンス 第4回 文学作品における歴史表象1:W・G・ゼーバルト『アウステルリッツ』 第5回 文学作品における歴史表象2:ローラン・ビネ『HHhH』 第6回 文学作品における歴史表象3:パトリック・モディアノ『1941年。パリの尋ね人』、堀田善衞『方丈記私記』 第7回 写真と歴史表象1:アウシュヴィッツの4枚の写真 第8回 写真と歴史表象2:原爆投下当日の写真 第9回 サスペンスと歴史叙述1:サスペンス映画論、D・W・グリフィス『ドリーの冒険』、スティーヴン・スピルバーグ『マイノリティ・リポート』、クリント・イーストウッド『チェンジリング』 第10回 サスペンスと歴史叙述2:三部けい『僕だけがいない街』、ネメシュ・ラースロー『サウルの息子』 第11回 歴史表象と歴史経験1:橋川文三と「歴史」 第12回 歴史表象と歴史経験2:ヴァルター・ベンヤミン「歴史の概念について」 第13回 総括:歴史表象と歴史経験──カミュ『ペスト』を通して
授業の方法
【4月21日:オンライン授業化にともない内容を大きく変えた。】  この授業はあらかじめ体系化された学術的な知識を伝授するものではない。テクストや作品から「歴史」をめぐる諸問題をどのように発見し、どのように考察しうるかを具体的に例示することにより、「歴史」に対する表象文化論的なアプローチの実践へと導くことが眼目である。  取り上げる文学作品や論文、映画などについては、できれば事前にその全篇を読んだり視聴したりしておくことが望ましいものの、それを必須とはしない。授業で中心的に扱う部分については、抜粋のPDFや関連情報をITC-LMSであらかじめ提供する。  授業参加者が予想よりも多くなる見込みのため、当初予定したように授業中に履修者の感想や意見を求めたうえで若干のディスカッションを行なう方法は取らない(セメスターの途中で実質的な参加者が20名程度になった場合には、発表者を決め、授業の冒頭を発表者中心の簡単な報告形式に移行することを検討する)。  それに代えて、次の方法により、参加者とのインタラクションを図る。 1.参加者は、次週のテーマとなるテクスト・作品に関する設問(ITC-LMSの「掲示板」で設定)について、授業の週の月曜日正午までにコメントや質問を回答する。これは参加者の義務ではなく、回答は任意でかまわない。 2.教員は授業中にその回答を適宜ピックアップしてコメントする。 3.授業内容に関する質問は、授業中であればZoomのチャットに書き込み、授業終了後はITC-LMSの掲示板にスレッドを立てることにより、参加者全員が共有できるようにする。教員はそれに対して、授業中や授業後に回答する。  授業自体は教員の講義主体で行なう。Zoomの画面共有で随時テクストや画像資料は提示するが、基本的には音声のみとして、ビデオは用いない。参加者は発言を許可された場合以外にはマイクとビデオを切っておくこと(発言の際にビデオをONにする必要はない)。チャットには質問などを随時書き込んでよい。105分の授業だが、5分遅れくらいで始め、なかほどで5〜10分程度の休憩を取る予定。出席は取らない。  この授業は出来上がった知識を教員が解説し、学生がそれを一方的に学ぶものではない。教員と学生の双方がテクストや作品に即してその都度問いを発見し、それらについてつねに改めて考察を試みるような、両者の協働作業の場であると考えてほしい。授業中に取り上げるテクストや作品について、参加者みずからの独自な論を展開できるようになることが望ましい。  新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態下での授業となったことに鑑み、アルベール・カミュの『ペスト』をどのように読むかを、この授業の最終的な到達点に設定する。      
成績評価方法
期末レポート
履修上の注意
随時、あらたなテーマの教材や補足資料、授業中の参照用スライドをITC-LMSで提供する。