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最終更新日:2024年4月22日

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古典語初級(ギリシア語)Ⅰ

古典ギリシア語初級(前半)
1, 目標

初級文法を1年かけて学び,古典ギリシア語で書かれた簡単な文章を読めるようにし,難しい文章であっても文法書と辞書を使えば何とか読めるようにする.

一般に古典ギリシア語を学ぶにはかなりの負担を覚悟しなければならないと思われている.したがって,そのために学修をためらったり,途中であきらめてしまう場合も少なくないと思われる.できるだけそのようにならないよう,履修者の理解度や自宅学習の時間を適宜確認しつつ,学修内容・進度と自宅学習の時間を調整するので,ためらわずに履修してほしい.

2, 古典ギリシア語

ギリシア語の重要性については改めて説明するまでもないだろう.古代ギリシア文明は西洋文化の原点であり,西洋文化の根底にあるものを知ろうとすれば,必然的に古代ギリシア文明に触れることになる.古代ギリシア語を学ぶのは容易とは言えないが,これを学ぶと,古代ギリシア語が擁する哲学・歴史学・文学・科学などあらゆる分野の膨大な文献に直接触れることができ,それらがどのように西洋文明やその他の文明に影響を与えているのかを知ることができるようになる.

ギリシア語の文献は紀元前15世紀頃の線文字B粘土板にさかのぼる.使用地域はやがて東地中海地域から地中海地域全体へ,一時はさらにインド方面にまで広がった.古典ギリシア語とは,紀元前5–4世紀にアテーナイを中心とする地域で使われていたギリシア語のことを言う.これを学べば,ホメーロス(紀元前8世紀頃)から中世ギリシア語に至るまでの各時代・地域のギリシア語や新約聖書のギリシア語も容易に習得できる.文献の豊富さゆえにラテン語,サンスクリット語などとともに印欧比較言語学に豊富な資料を提供するという点でもギリシア語は重要である.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
30598
CAS-GC1Lu1L1
古典語初級(ギリシア語)Ⅰ
松浦 高志
S1 S2
金曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
教科書は全36課から成っているので,Sセメスターはその半分くらいまで進めることを目標とする.初回はギリシア語に関する簡単な解説を行ったあと,第1課(文字と発音)と第2課(アクセント)を扱う.
授業の方法
授業はすべて日本語で行う.予習は必須ではない.授業では教科書の内容を解説する.毎回課題が課されるので,それにもとづき復習を行ってもらう.課題の1つは暗記である.簡単な内容を覚え,次回の授業の最初に小テストを行って覚えられたかどうかを確認する.簡単な内容とは,教科書に挙げられている名詞・動詞などの変化表のことである.暗記に要する時間は1時間以内と想定している.また教科書各課末に練習問題が付されているので,授業で扱った課の練習問題を解いてきてもらう.練習問題に要する時間は3時間以内と想定している.したがって毎回の自宅学習の時間は4時間程度を想定している.解いてきた練習問題は,次の授業の際に出席者が順番に発表する.授業の段取りはしたがって次のとおりである. 1, 小テスト(第2–12回) 2, 練習問題 3, 教科書の解説 4, 課題の説明(必要に応じて)
成績評価方法
学期末試験(60点)と小テスト(20点),練習問題の発表状況(20点)で行う. 練習問題を解く際は,単語の形態(名詞なら性・数・格,動詞なら法・時称・相・数・人称など)をきちんと調べておき,また構文や語法については教科書のどの節に説明があるかを調べておくと上達が早い.すなわちそのようにすれば,教科書の練習問題や学期末試験の問題をよく理解して解くことができ,ギリシア語の原典も正確に理解することができるようになる.単に上手(に見えるよう)な和訳ができただけでは評価を得ることができないことに注意せよ.逆に和訳がぎこちなかったとしても,形態や構文等について教科書の内容をきちんと理解した上でのものであれば評価は高くなる.
履修上の注意
この授業を履修するための予備知識は特に必要ない.文系/理系の別や興味のある時代・地域・分野を問わず履修生を歓迎する. なお,前半を受けただけでは文章を読めるようにはならないので,読めるようにするにはAセメスターに開講される「古典ギリシア語初級(後半)」(科目名:「古典語初級(ギリシア語)II」)も履修すること.なお「古典ギリシア語初級(後半)」は教養学部後期課程の科目「共通ギリシア語(12)」との合同授業である.進学が内定した2年生(など)は「共通ギリシア語(12)」として履修することができる. Aセメスターには「古典ギリシア語初級(前半)」に当たる授業は開講されていないので,計画的に履修すること.