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最終更新日:2024年4月22日

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日本の政治

日本の政治:危機の中の内閣総理大臣
 岸田文雄政権が2021年10月4日に誕生した。岸田文雄首相は「新しい資本主義」を掲げる一方、コロナ危機への対応を迫られている。その前の菅義偉政権はデジタル庁の創設などの改革政策に取り組んだものの、コロナ危機への対応をめぐり世論の支持を失い、短命に終わった。安倍晋三政権は政治史に残る長期政権となった。安倍首相は第二次政権発足後から15年秋まではいわゆる「三本の矢」:大胆な金融緩和、機動的な財政運営、成長戦略を掲げて経済政策に積極的に取り組んできた。15年秋以降は「1億総活躍」「働き方改革」「人づくり革命」などを唱え、労働時間規制、教育無償化などを実現してきた。また、「地球儀を俯瞰する」外交を掲げ、精力的に海外を訪問し、「積極的平和主義」を唱えて、日本の安全保障政策の見直しに取り組み、集団的自衛権に関する憲法解釈の変更に踏み切り、安保関連法制を成立させた。
 岸田首相はどのような権力基盤に立ち、どのような政策を作ろうとしているのか。
 菅首相や安倍首相はいかに政権を運営し、政策を立案してきたのか。
 本講義では以上を含めて、日本の権力構造、政策決定過程について理解できるようにする。ところで、2000年代以降の日本の政治を分析する上で一つのことを留意する必要がある。それは、1990年代から2001年にかけて日本の統治構造が大きく変革されたということである。この変革は日本の政治構造を大きくかえ、政治構造が変化する中で、長期政権や短期政権が現れている。また、多くの政権が現れては消える中でも、政策決定過程は確実に変化してきている。
 2022年度の「日本の政治」の目的は二つである。第一の目的は、現在日本政治の特徴を理解することである。具体的には二つのことを把握したい。一つは日本の統治構造の変化と現在の特徴を学ぶこと。二つは政策決定過程を観る目を養うことにある。このため岸田内閣、菅内閣、第二次・三次・四次安倍内閣の下における政策決定過程を掘り下げて分析する。
 また、講義と併せて、①戦後日本の政治の歩み、②現代日本の権力構造、政策決定過程を分析する代表的な本、論文をシラバスにそって講読することが、重要な履修条件となる。 
 第二の目的は受講者にレポートの一つの書き方を修得してもらうことである。レポートを書くことの目的は単にレポートで取り上げるテーマについて 情報としての知識を身につけることにとどまるものではない。レポートを書く作業を通じてわからないことを調べる力、ものごとについて考える力、多くの事象を重要な点にしぼって観察する力を養うことになる。
 この授業を通じて身につけてもらいたいことは数多くある。コロナ危機の中、リモート形式により講義を行うことになる。そうした環境の中で、受講者が授業の内容をしっかり習熟できるよう最大限の努力を傾ける。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
30257
CAS-GC1C24L1
日本の政治
竹中 治堅
S1 S2
月曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
授業計画については初回ガイダンス時にさらに詳しく解説する。  授業計画(菅政権の展開などにより変更ありうべし) 第1部 プレビュー 第1回 岸田文雄首相はどのように政策を決定しているのか? 第2部 権力構造と政策決定過程を見る視角 第2回 統治制度:大統領制と議院内閣制、中央集権と分権 第3回 議院内閣制の特徴 第3部 日本の統治構造の変化 第4回 1955年体制下の権力構造 第5回 議院内閣制の変容I:政治改革 第6回 議院内閣制の変容II:中央省庁再編 第7回 首相および官邸政治家、官邸官僚 第4部 現代日本政治の動態 第8回 政治家、自民党、非自民勢力 第9回 政官関係、利益集団、マスメディア 第5部 安倍内閣 菅内閣 第10回 官邸はいかに政策決定を主導してきたか①:安保法制、「自由で開かれたインド太平洋」構想 第11回 官邸はいかに政策決定を主導してきたか②:金融政策、成長戦略、社民政策の本格的導入、デジタル庁導入 第12回 官邸はいかに政策決定を主導してきたか③:コロナ危機対応 第6部 岸田内閣 第13回 岸田内閣の政策決定の特徴は何か:「新しい資本主義」、コロナ危機対応
授業の方法
⑴講義をおこなうとともに、受講者からの積極的な質問を望む。 ⑵下記の成績評価方法にあるように宿題を定期的に課す。 ⑶Zoomによる面談:学生との接触度は面談講義方式に比べはるかにすくなることを心配している。Zoomによる面談を考えている。
成績評価方法
日本政治を見る力を養うために、本授業の受講者に多くのことを学んでもらいたい。従って、本講議の受講者は以下の三つの履行条件を満たすことが求められる。 ① 期末試験  講議内容を基に出題される期末試験を受験すること。 ② 課題  毎週出される課題を宿題として行い、提出すること。 ③ レポート作成  安倍・菅・岸田三政権の政策を一つ選んで、その政策決定過程について授業の内容を参考にしながら分析すること。 課題、レポートの内容については第1回授業時に説明する。
履修上の注意
履修に際し、日本政治についての前提となる知識は不要である。 この授業では自分で面白いテーマを見つけ、レポートを書くことが一つの大きな課題となる。 きちんと理解できるよう講義を行い、レポート作成はメールを駆使して、実質的に個別指導するので、不安に感じる必要はない。 授業負担は大きいが得られるものも多いと考えている。「テーマは面白そう、、、」と感じた場合には「履修条件がなかなか、、、、」と思っても、直感を信じて履修すること。