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最終更新日:2024年4月22日
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近代日本における内部労働市場の形成
近代日本における内部労働市場の形成
内部労働市場(internal labor market)は、Doeringer and Piore(1971)によって初めて定義された。日本におけるその形成、つまり、労働者の生産性や品質性能を改善することを目的とした特徴的な雇用慣行の実施は、1960年代に製造業の大工場において見られはじめ、1960年代後半から1970年代にかけて、同じく製造業の大工場において広く見られるようになったと言われている。そして、1980年代には、この「革新的人事管理制度(innovative human-resource management practices)」と呼ばれた雇用慣行の実施が結果的に米企業との競争における勝利をもたらした。アメリカにおけるこうした雇用慣行の導入は、日本に多少の遅れをとり、1980~1990年代にかけて急速に広まった。
しかし、日本においては1960年代以前にも内部労働市場形成の端緒的形態が見られていることがいくつもの研究において報告されている。そうした先駆的に実施された革新的人事管理の実施について、再評価することが本演習の主な目的となる。
また、こうした雇用慣行を理解する多くの研究がなされている一方で、現代の日本においては、他の先進諸国に比較して、労働者が長期に同じ企業において就労することを基本としており、勤務の初期段階においては、労働者間において賃金などの差がほとんどなく、昇進が遅いことについて十分に説明できていない。内部労働市場形成の端緒的形態を分析することによって、その答えに近づくこともまた本演習の目的である。
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