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最終更新日:2024年4月22日

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法分野における翻訳の諸問題

法分野における翻訳の諸問題
翻訳は,比較法だけでなく実定法学においても最も根本的な方法の一つを構成するが,従来方法論的な反省はほとんど加えられてこなかった。そこで,翻訳の方法や法学の実質に及ぼす影響などにつき,日仏・日独・日米・EU・日中の観点から,問題発見的な仕方で可能な限り総合的な考察を試みる。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
25-303-03
GLP-LP6202L1
法分野における翻訳の諸問題
海老原 明夫
S1 S2
金曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
法学政治学研究科
授業計画
オムニバスで各教員が原則として3回ずつ講義する。 第1回に担当教員全員(海老原,高見澤,浅香,伊藤)で授業内容とレポートについての説明を行う。 各教員の授業内容は、以下の通りである。 伊藤:多言語使用はヨーロッパ法の重要な特色の一つである。EUの諸機関・裁判所における作業言語,多数の言語ヴァージョンによる正文の存在,更にヨーロッパ法形成における比較法の問題点等に関する問題を取り上げる。 海老原:ドイツ法の法律用語は,ローマ法継受の経緯から基本的にラテン語からの翻訳・改造を前提とする。そして日本の法学はこれを完成品としてさらに翻訳して受容した。ここでは、ローマ法からドイツ法への受容・変容の一場面としてヴィントシャイトによるアクチオ概念の実体法上の請求権概念への彫琢を,そしてドイツから日本への受容として明治憲法における統治権の総攬規定の制定過程をそれぞれ検討する。 高見澤:2018年3月11日に改正された中華人民共和国憲法を素材に中国法の用語を日本語に翻訳する際に検討すべき問題について検討する。中国語学習歴があることを前提としない。中国法がソビエト法を継受していることを確認するとともに憲法の制定・改正時の指導層の意図を読み込むことを試みる。また、漢字圏どうしの翻訳にともなう問題も検討する。 本年度の授業分担は追って掲げる。
授業の方法
講義
成績評価方法
レポート提出をもって試験に代える。 提出期限は2019年8月2日(金)。 法文一号館事務室前のレポート提出ボックスに入れること
教科書
各授業において適宜指示する. 高見澤の授業においては、高橋和之編『新版 世界憲法集 第二版』岩波文庫を用いるので準備すること。また改正点については資料を紙媒体で配布する。
参考書
基本的参考文献として,Ichiro Kitamura, La traduction juridique, Les Cahiers de droit, 1987, pp. 747-792 ; Problems of the Translation of Law, Victoria Univ.of Wellington Law Review, 1993. 柳父章『翻訳語成立事情』岩波新書;『翻訳とは何か』『近代日本語の思想』法政大学出版局。平子義雄『翻訳の原理』大修館書店。丸山真男・加藤周一『翻訳と日本の近代』岩波新書。田中英夫『英米法のことば』(有斐閣)。早川武夫・椙山敬士『法律英語の基礎知識・増補版』商事法務(2005)。柏木昇ほか「特集・法令外国語訳整備の推進」ジュリスト1312号(2006)。
履修上の注意
各授業において適宜指示する.