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最終更新日:2024年3月15日

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労働法

労働法
 「雇われて働く」ことを基軸とする労働関係を規律する労働法につき、その基礎的な理解の習得と応用力の養成を目的とする。具体的には、労働法上の基本概念を把握したうえ、個々の労働者と使用者との個別的な労働関係をめぐる法的ルール、及び、労働組合と使用者等との集団的な労働関係をめぐる法的ルールを検討し、あわせて、労働市場や労働紛争処理をめぐる事項も取り扱う。法改正の動向等にも適宜言及する予定である。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
25-302-37
GLP-LP6128L1
労働法
山川 隆一
S1 S2
火曜3限、金曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
4
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
法学政治学研究科
授業計画
第1回 労働法総論  労働法の存在理由や歴史等を概観したのち、その主要な構成分野の鳥瞰を行い、それぞれの領域の特色について学ぶ。 第2回 労働関係の当事者  労働関係における主たる当事者である労働者や使用者等の概念につき、個別の労働法規等をふまえた検討を行い、そこでの現代的課題についても理解を深める。 第3回 雇用関係法総論・就業規則(1)  雇用関係法における基本的な概念や仕組みについて把握したうえで、日本における重要な労働条件設定及び職場管理の手段である就業規則にかかわる基礎的事項を学ぶ。 第4回 就業規則(2)  就業規則に関し、労働条件の不利益変更の拘束力などの重要問題について理解を深める。 第5回 雇用平等  雇用における平等について、男女雇用機会均等法・労働基準法等における規律やそこでの基本的論点を検討する。 第6回 労働契約の成立  採用の自由、採用内定、試用期間など、労働契約の成立をめぐる法的問題点につき考察する。 第7回 労働契約上の権利義務  労働契約において労働者と使用者はどのような権利を有し、義務を負うかを把握したうえ、そこでの具体的問題点を検討する。 第8回 人事(1)  人事管理における基本的ツールについて理解したうえで、昇進・昇格・降格、配転、出向等をめぐる論点について検討する。 第9回 人事(2)・懲戒  休職など人事をめぐるその他の重要事項を取り扱ったのち、企業における秩序違反への制裁としての懲戒処分をめぐる法的規律につき学ぶ。 第10回 賃金  賃金の意義を理解したうえ、賃金債権の発生・変動・消滅、及び賃金の支払方法に関する問題を取り上げ、労働基準法上の休業手当等にも言及する。 第11回 労働時間(1)  労働時間の概念や法規制の原則を把握したうえで、時間外労働や割増賃金に関わる規制について学ぶ。 第12回 労働時間(2)  変形労働時間制、フレックスタイム制、裁量労働制などの労働時間に関する特別な法規制、及び労働時間制度の適用除外につき検討する。 第13回 休暇・休業  労基法上の年次有給休暇制度について学ぶ他、職業と家庭の両立という観点から設けられている育児・介護休業法等について基本事項を把握する。 第14回 安全衛生・労災補償  職場の安全衛生をめぐる規制を概観したうえ、現実に発生した労働災害の補償に関し、労災保険制度や民事損害賠償制度による対応を検討する。 第15回 雇用関係の終了(1)  合意解約や辞職など、解雇以外の労働契約関係の終了事由を取り扱う他、事業譲渡・会社分割など企業組織の変動に伴う労働契約の終了や承継についても検討する。 第16回 雇用関係の終了(2)  労働契約の終了事由として最も重要な解雇につき、労働基準法上の規制の他、解雇権濫用法理や整理解雇法理、及び違法解雇の効果などにつき考察する 第17回 非典型雇用  いわゆる「正社員」以外の雇用形態をめぐる法的ルールにつき、期間を定めた雇用(有期雇用)及びパートタイム労働を中心に検討する。 第18回 労使関係法総論  集団的労働関係の法規律に関わる基本概念を把握したうえ、労働組合法上の「労働者」や「労働組合」の概念等についても理解を深める。 第19回 労働組合の内部問題  統制処分や財政など組合の内部運営をめぐる問題、及び組合の組織変動に関する問題をめぐる法的ルールにつき検討する。 第20回 団体交渉・労働協約(1)  集団的労働条件決定プロセスとしての団体交渉をめぐる問題を取り上げた後、労使間合意としての労働協約につき、その意義や効力など基本的事項を把握する。 第21回 労働協約(2)  労働協約に関し、協約終了後のいわゆる余後効や規範的効力の拡張適用などの応用的な問題を取り上げる。時間があれば架空事例により演習を行う。 第22回 団体行動  憲法28条の保障する団体行動権の内容をなす争議行為と組合活動につき、それらの法的保護等をめぐる法的ルールについて検討する。 第23回 不当労働行為(1)  労働組合法7条・27条等の定める不当労働行為制度に関し、その意義や使用者の概念などの総論的事項を検討したうえ、同法7条1号の不利益取扱いをめぐる問題につき考察する。 第24回 不当労働行為(2)  労働組合法7条2号・3号において禁止されている団交拒否及び組合結成への支配・介入に関する検討を行う。 第25回 労働紛争の処理  労働紛争の解決システムやその手続に関し、労働委員会における不当労働行為救済手続や裁判所における労働審判手続を中心に理解を深める。 第26回 労働市場法・総合的検討  労働市場法をめぐる基本的原理を把握したうえ、職業安定法や労働者派遣法などの主な法規を取り上げて検討する。合わせて、これまで履修てしてきた複数分野にまたがる事項などにつき総合的検討を行う。  *教材との対応関係・予習箇所については授業初回に指示する。
授業の方法
双方向的授業を中心に行う。
成績評価方法
筆記試験を行う 平常点を考慮する レポートを課さない
教科書
 菅野和夫監修『ケースブック労働法(第8版)』(弘文堂、2014年)を教材として、山川隆一編『プラクティス労働法(第2版)』(信山社、2017年)を教科書として用いる。なお、法令集として、『労働関係法規集(2020年版)』(労働政策研究・研修機構・近刊)を用いる。
参考書
菅野和夫『労働法(第12版)』(弘文堂、2019年)、荒木尚志『労働法(第3版)』(有斐閣、2016年)、山川隆一『労働紛争処理法』(弘文堂、2012年)、荒木尚志=村中孝史編『労働判例百選(第9版)』(有斐閣、2016年)、山川隆一=森戸英幸編『判例サムアップ労働法』(弘文堂、2011年)、土田道夫=山川隆一編『労働法の争点』(有斐閣、2014年)など。
履修上の注意
一定期間経過後に座席を指定する予定である。