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最終更新日:2024年4月22日

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包摂と排除の教育学:比較教育福祉社会史の視点から

 本講義では、子どもが学校から最大限の利益を得られることを目的とする社会事業・社会政策としての教育支援、特にそのルーツと目されるアメリカ合衆国のビジティング・ティーチャー(訪問教師)の存在に注目する。米国は世界の福祉国家の中では特異な発展を遂げた国である一方、その教育制度は開放的・単線型のものとして日本の学校制度にも影響を及ぼしている。講義では、革新主義という時代背景にも注意を払いながら、教育と福祉の交差点に誕生したビジティング・ティーチャー(現在はスクールソーシャルワーカーと名を変え世界中で活躍中)の現代的意義を考えていく。そして後半では、日本版ビジティング・ティーチャーともいうべき性格をもつ福祉教員制度の成立過程を詳しく取り上げる。
 教育福祉の重要な一角をなす教育支援の意義、可能性、限界を、米国のビジティング・ティーチャーおよび日本の福祉教員制度の成立史を手がかりに理解し、教育福祉の理解に不可欠の知識・教養を獲得すること。教育支援の理解に不可欠な、背景となる社会科学的素養を獲得すること。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
23-303-06
GED-AS6306L1
包摂と排除の教育学:比較教育福祉社会史の視点から
倉石 一郎
A1
集中
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教育学研究科
授業計画
第1回:子どもをとりまく困難と教育福祉・教育支援の重要性 第2回:アメリカの学校教育の特性:日本との類似と相違点 第3回:映画『The Miracle Worker(奇跡の人)』に隠されたテーマ 第4回:アメリカ教育福祉の前史(植民地期から19世紀後半までの救済事業) 第5回:20世紀初頭アメリカの社会状況:革新主義の潮流、児童救済運動、進歩主義教育運動 第6回:ビジティング・ティーチャー登場の背景:ニューヨーク市の動向 第7回:初期ビジティング・ティーチャーの活躍から制度化へ 第8回:ビジティング・ティーチャーと障害児特別学級の開始 第9回:「精神衛生」運動ブームのなかのビジティング・ティーチャー 第10回:アメリカのソーシャルワーク点描:映画『プレシャス』を視聴しながら 第11回:戦後日本の教育における包摂と排除の構図 第12回:長欠・不就学問題と福祉教員制度の誕生 第13回:福祉教員の業務の変容
授業の方法
 講義およびディスカッションによる。必要に応じて視聴覚教材も使用する。
成績評価方法
レポート試験による。
教科書
倉石一郎 『アメリカ教育福祉社会史序説:ビジティング・ティーチャーとその時代』 春風社、2014年、 ISBN:978-4861104169
参考書
倉石一郎『増補新版 包摂と排除の教育学』生活書院、2018年 ISBN:978-4865000771
履修上の注意
教科書を必ず購入しておくこと。