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最終更新日:2024年4月1日

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臨床現象学I

現象学のスタンスから具体的な人間の在りようについて考える
【授業の目標】
本ゼミのタイトルも「臨床現象学」であるが、現在日本では、●●現象学、現象学的△△、といった研究領域が多数展開している。しかし、何をもって●●現象学、現象学的△△と称しうるのかは明確ではない。狭義には、現象学者の知見を理論的背景にすることが現象学的な研究であるが、広義には、ものごとを捉えるスタンスを現象学に依拠することも現象学的な研究に含まれる、と講義者は考えている。

本ゼミでは、スタンスとしての現象学を共通理解にもたらすために、初学者向けの解説書の丁寧な購読を通して、現象学の主要概念(特に創始者であるフッサール)を概観する。その後、具体的な人間の在りようについて考察している現象学的研究を読むこととする。こうした歩みのなかで、1年間を通じて、「現象学的」とは何なのかという問いや、具体事例に基づく(現象学的な)倫理について触れることになる。

【授業の概略】
授業の概略は以下のとおりである。
まず、講読する文献を受講者と共に決める。候補となる書籍は以下のとおりである。
①木田元1970『現象学』岩波新書
②新田義弘1992『現象学とは何か』講談社学術文庫
③谷徹2002『これが現象学だ』講談社現代新書
④ダンザハヴィ2015『初学者のための現象学』晃洋書房

この購読を介して、エポケー、生活世界、空間と身体、間相互主観性といった現象学の根本概念を押さえる。と同時に現象学のスタンスについて理解する。そのうえで、受講者の興味関心とも関連させながら、臨床(教育)現象学、ケアの現象学、フェミニスト現象学、現象学的倫理学のなかで具体的な人間の在りようを扱っている文献を講読する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
23-211-07
GED-IE6104S1
臨床現象学I
大塚 類
S1 S2
木曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教育学研究科
授業計画
第1回 イントロダクション 第2回 文献講読① 第3回 文献講読② 第4回 文献講読③ 第5回 文献講読④ 第6回 文献講読⑤ 第7回 文献講読⑥ 第8回 文献購読⑦ 第9回 文献購読⑧ 第10回 文献購読⑨ 第11回 中間相談:閑話休題 第12回 文献購読⑩ 第13回 文献購読⑪ 第14回 文献講読⑫ 後半の文献講読の題材として考えているもの ①村上靖彦2018『在宅無限大:訪問看護師が見た生と死』より ②稲原美苗他編2020『フェミニスト現象学入門:経験から「普通」を問い直す』より ③西村ユミ・榊原哲也2017『ケアの実践とは何か:現象学からの質的研究アプローチ』より ④吉川孝他編2019『映画で考える生命環境倫理学』より 授業計画は受講者との相談により変更される場合があります。
授業の方法
演習形式で行う。 受講人数にもよるが、おそらく各回担当発表制になると思われる。 研究科の方針によるが、おそらく対面あるいはハイブリッド授業になると思われる
成績評価方法
【評価方法】 発表者は平常点、未発表者はレポート 【評価基準】 (1)授業への参加状況 ①事前に文献を読み、授業中の議論に積極的に加わって、理解を深めている。 ②文献に関する固有の解釈にもとづいて、自分なりの見解を発言している。 ③他者の発言に耳を傾け、自分の見解と関連させて、議論を発展させている。 (2)レポート ①本授業で扱う題材について自分なりの関心にもとづいて要点を捉えている。 ②授業中の議論にもとづいて自分なりの論点を明らかにして議論している。 ③独創性のある論点が提示されており、説得力のある議論が展開されている。
教科書
上掲のいずれか。どれになってもデータをお渡しします。
参考書
大塚類・遠藤野ゆり編 『エピソード教育臨床:生きづらさを描く質的研究』 (創元社) 遠藤野ゆり・大塚類『さらにあたりまえを疑え:臨床教育学2』(新曜社) 西村ユミ・榊原哲也 『ケアの実践とは何か』 (ナカニシヤ出版) 村上靖彦2018『在宅無限大:訪問看護師が見た生と死』(医学書院) 稲原美苗他編2020『フェミニスト現象学入門:経験から「普通」を問い直す』(ナカニシヤ出版) 吉川孝他編2019『映画で考える生命環境倫理学』(勁草書房) 吉川孝他編2012『生きることに責任はあるのか:現象学的倫理学への試み』(弘前大学出版会)
履修上の注意
当事者性をもった積極的な参加を期待します。 できれば通年での受講が望ましいです。