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最終更新日:2024年3月15日

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技術時代の倫理―ハイデガー哲学の視点から

技術時代の倫理――ハイデガー哲学の視点から――
本講義では、「存在への問い」で知られるドイツの哲学者マルティン・ハイデガーの思索を手引きとして、現代技術の本質とはいかなるものなのか、またそうした技術によって規定された現代社会において可能な「倫理」とはいかなるものかについて考察する。

講義ではまず、ハイデガーの「存在への問い」の基本的内容を『存在と時間』から後期に至るまでの時代的展開に即して概観する。その際、彼の哲学的思索がもつ政治性にとくに注目したい。

こうした「存在への問い」の概要の把握に立脚して、講義ではハイデガーの後期の思索における「技術への問い」を検討し、その倫理的・政治的含意を明らかにする。

以上の議論に基づいて、講義では最終的に今日「応用倫理」と呼ばれている営み一般の問題点と限界を浮き彫りにするとともに、今日われわれが技術に対していかなる態度を取りうるのかを考察していきたい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21230814
GHS-GC6H01L1
技術時代の倫理―ハイデガー哲学の視点から
轟 孝夫
A1 A2
月曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
1.イントロダクション――「存在」とは何を意味するのか? 2.ハイデガー『存在と時間』の思索(1)――現存在の意味 3.ハイデガー『存在と時間』の思索(2)ーー存在の意味としての時間 4.ハイデガーの中期思想(1)――形而上学の時代 5.ハイデガーの中期思想(2)――ナチス加担の問題 6.ハイデガーの後期思想(1)――「存在の真理」の思索 7.ハイデガーの後期思想(2)――「存在の歴史」の構想 8.ハイデガーの技術論(1)――1930年代後半の技術論とナチズムとの対決 10. ハイデガーの技術論(2)――戦後の「技術への問い」 11. ハイデガーの技術論(3)――サイバネティックス論 12. ハイデガーの技術論(4)――技術時代の倫理、「応用倫理」を越えて 13. まとめ、討論
授業の方法
授業は主にハイデガーのテクストを中心とした資料を配布し、その解説を行う形で進めていく。
成績評価方法
期末レポートによって成績評価を行う。 レポートの評価に当たっては、学術的レポートの形式を満たしているかどうかを重視する。
教科書
轟孝夫『ハイデガーの超‐政治――ナチズムとの対決/存在・技術・国家への問い』明石書店、2020年。 轟孝夫『ハイデガー『存在と時間』入門』講談社現代新書、2017年。
参考書
小松美彦、香川知晶編著『メタバイオエシックスの構築へ――生命倫理を問いなおす』NTT出版、2010年。 ハイデッガー『技術への問い』関口浩訳、平凡社、2009年。 轟孝夫『存在と共同――ハイデガー哲学の構造と展開』法政大学出版局、2007年。 加藤尚武『ハイデガーの技術論』理想社、2004年。
履修上の注意
初回授業も対面のみで実施します。