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最終更新日:2024年3月15日

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死者をめぐる宗教哲学・宗教倫理

本科目は、伝統的に宗教文化と深く関連があり、儀礼その他の対象となってきた「死者」の概念をめぐって、近現代の宗教思想や宗教哲学、また「宗教的な」世俗思想(特に現代思想)がどのように考えてきたのか、また、「死者」をめぐって現代の宗教文化・「宗教的」文化がどのような問いに直面しているのかを考える講義科目である。とりわけ、死者をめぐる倫理的な諸問題を中心に取り上げる。また、応用的課題として、昨今の喫緊の課題である「死者AI」の問題についても考えたい。
・死者をめぐる宗教思想・宗教的思想の課題を理解することができる
・現代における死者をめぐる論叢の争点を体系化することができる
・死者をめぐる倫理について、宗教学および宗教学外(倫理学など)の観点から考察することができる
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21230606
GHS-GC6F01L1
死者をめぐる宗教哲学・宗教倫理
佐藤 啓介
A1 A2
木曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
1.イントロダクション 2.死者をめぐる倫理の基礎的諸問題 3.諸宗教における死者の位置づけ 4.現代の世俗社会における死者 5.死者倫理の4つの立場 6.観点1 死者の社会的実在説 7.観点1 死者の社会的実在説(続き) 8.観点2 死者の心理的実在説 9.観点2 死者の心理的実在説(続き) 10.観点3 死者の尊厳説 11.観点3 死者の尊厳説(続き) 12.観点4 死者の歴史学的存在説 13.観点4 死者の歴史学的存在説 14.応用問題 死者AIの作成の可否を検討する 15.死者と現代宗教学
授業の方法
講義科目ではあるが、事前に指定された日本語文献を読み、それに関する発言や小発表などを求めることがある。それを参加状況とみなす。
成績評価方法
成績評価は、期末レポート70%、ならびに授業内での参加状況(発表、発言など)30%とする。
教科書
特になし
参考書
授業内で指示する。なお、以下のような文献を取り上げる予定である。 佐藤啓介 2017. 『死者と苦しみの宗教哲学――宗教哲学の現代的可能性』、晃洋書房. 佐藤啓介 2019. 「〈死者の尊厳〉の根拠――下からの死者倫理の試み」『宗教哲学研究』36. 佐藤啓介 2022. 「死者AIの倫理のための理論的基盤を考える」『宗教と倫理』22. 末木文美士 2007. 『他者/死者/私――哲学と宗教のレッスン』、岩波書店. 高橋力・堀江宗正 2021. 『死者の力――津波被災地「霊的体験」の死生学』、岩波書店. ローゼン、マイケル 2012=2021. 『尊厳――その歴史と意味』、岩波新書. Moreman, Ch. M. ed. 2018. The Routledge Companion to Death and Dying, Routledge. Klass, Dennis et al. (eds.) 1996. Continuing Bonds: New Understandings of Grief, Routledge. Walter, Tony 1996. “Facing Death without Tradition” Contemporary Issues in the Sociology of Death, Dying and Disposal (G. Howarth and P. Jupp eds.), Macmillan Press. Lévinas, Emmanuel 1993. “La mort et le temps” Dieu, la mort et le temps, Grasset et Fasquelle. Sperling, Daniel 2008. Posthumous Interests: Legal and Ethical Perspectives, Cambridge U. P.
履修上の注意
宗教学・哲学・倫理学・死生学に関する基礎的な知識があると、履修上有益であるが、必ずしも前提知識を求めるわけではない。 なお、授業内にて、次回までに予習・復習として読んできてほしい文献などをその都度指示する。