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最終更新日:2024年4月22日

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日本絵巻史

日本絵巻史
奈良時代、中国・唐の絵入り経典を模倣することから始まった絵巻は、平安末期に「源氏物語」「信貴山縁起絵巻」「鳥獣戯画」という絵画表現の高みへと達した。続く中世・近世の権力者たちもまた、統治の思想や自らの信仰を表現する手段として絵巻を作り続け、特別な宝物としてコレクションした。近代に入ると、伝統的な横長の画面は、日本画家たちにとって新たな創造のフィールドとなる。絵巻は、一千年もの間、文字と絵が交響する複合メディアとして、日本で独自の発展を遂げてきた。それぞれの時代を代表する名品の内容・構図・表現の分析から美術史的な変遷をたどるとともに、制作させた権力者、企画した学者、描いた絵師の活動を史料から照らし出し、絵巻に込められた思想、絵巻が発し続けたメッセージを読み解く。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21225004
GHS-CR6E01L1
日本絵巻史
高岸 輝
S1 S2
火曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
第1回絵巻とは何か ・経巻に絵が入る―「絵因果経」 ・森羅万象を巻き取る―複合メディアとしての絵巻 第2回絵巻の文法、表現の可能性―平安絵巻という原点① ・心の動きをどう描くか―「源氏物語絵巻」 ・身体の動きをどう描くか―「鳥獣戯画」 第3回絵巻の文法、表現の可能性―平安絵巻という原点② ・奇蹟のリアリティー―「信貴山縁起絵巻」 ・奇病のリアリティー―「病草紙」 第4回絵巻の文法、表現の可能性―平安絵巻という原点③ ・絵の中に建設された理想都市―「年中行事絵巻」 ・政治を動かす絵巻コレクション―後白河法皇と蓮華王院宝蔵 第5回中世文化の大伽藍―絵巻の鎌倉・南北朝時代① ・秀才・政争・怨霊と京都―「北野天神縁起絵巻」 第6回中世文化の大伽藍―絵巻の鎌倉・南北朝時代② ・布教の足跡が象る国土―「一遍聖絵」「遊行上人縁起絵巻」 ・異族の攻撃が象る国土―「蒙古襲来絵巻」 第7回中世文化の大伽藍―絵巻の鎌倉・南北朝時代③ ・神域に漂う霊性―「春日権現験記絵巻」 ・三国(インド・中国・日本)をつなぐ旅と仏教―「玄奘三蔵絵」 第8回王権の金字塔―絵巻の室町・戦国時代① ・足利義満の絵合―将軍家の絵巻コレクション ・将軍の追善―「融通念仏縁起絵巻」 第9回王権の金字塔―絵巻の室町・戦国時代② ・絵巻プロデューサーの記録―三条西実隆と『実隆公記』 ・京都を守護する将軍―「清水寺縁起絵巻」 第10回古典文化の宝庫―絵巻の江戸時代① ・乱世の血―岩佐又兵衛「山中常盤物語絵巻」 第11回古典文化の宝庫―絵巻の江戸時代② ・天下泰平と徳川家康の神格化―「東照社縁起絵巻」と狩野探幽・住吉如慶 第12回日本画の挑戦―絵巻の近代 ・岡倉天心・フェノロサの絵巻観 ・日本画誕生と絵巻への挑戦―横山大観「生々流転」 第13回絵巻研究の現在 ・諸学連環―絵巻全集と絵画史料論の形成 ・横スクロールで見る日本の社会―デジタルメディアと絵巻
授業の方法
パワーポイントを用いたスライド、および配布資料による。
成績評価方法
毎回の小課題、および期末のレポートによる。
教科書
なし。
参考書
『日本美術史』 山下裕二・高岸輝監修 美術出版社 2014年 『室町絵巻の魔力』 高岸輝著 吉川弘文館 2008年 『中世やまと絵史論』 高岸輝著 吉川弘文館 2020年
履修上の注意
初回の講義でガイダンスを行う。