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最終更新日:2024年3月15日
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ケアと文学
世界文学をケアで読み解く
コロナ禍により文学や思想におけるケアの価値が再評価されるようになってきている。本講義では、キャロル・ギリガンの「ケアの倫理」を起点にしながら、育児、介護、看護等のケア実践のみならず、配慮や思いやりなどのケア精神が文学においていかに表象されてきたかについて考えていく。近年では、"Who Cares? How to Reshape a Democratic Politics" (Joan C. Toronto, 2015)や"Moral Boundaries: A Political Argument for an Ethic of Care"(Joan C. Tronto, 1993)), "Undoing the Demos: Neoliberalism’s Stealth Revolution" (Wendy Brown, 2015)などの議論にも見られるように、ケア概念が政治・経済の領域まで拡張されてきているが、その文脈で読める文学としては、ハヴェル「通達」、ウェルベック『セロトニン』などがあるだろう。この「ケアと社会」というテーマ以外に、「ケアとジェンダー」「ケアと他者」「ケアと脆弱性」といったテーマを扱う。具体的には、ウルフ『灯台へ』、マン『魔の山』、ワーズワス、シェイクスピア 『リア王』、チェーホフ『ワーニャ伯父さん』、ワイルド『獄中記』、ハン・ガン『菜食主義』など。
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