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最終更新日:2024年4月1日

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上座部仏教文献講読(2)

上座部仏教文献講読
1990年代、アフガニスタン動乱の中、国外に流出した膨大な量のガンダーラ写本の研究は、20世紀の日本で築かれた「原始仏教」研究――その大半が東京大学を中心になされた――の成果を覆しつつある。今日、最初期の仏教を知ろうとする場合、我々は先行研究の何が理論的に終わっており、どこに可能性の中心があるのかを実証的に吟味しながら、インド語仏典を読み直す必要に迫られている。その作業は、かつて自明だと思われていた「原始仏教⇒部派仏教⇒大乗仏教」というインド仏教史観を刷新することになるだろう。本講義では、紀元前の仏教を「初期仏教」(Early Buddhism)と再定義し、その重要な資料の一つとなるパーリ文献『律蔵』大品を注釈とともに講読しながら、文献学(高等批評)を駆使して、「初期仏教」の思想を明らかにすることを目指している。古代の言葉を読み解く醍醐味は、なにものにも代えがたい。初期仏教への関心と講読に堪える忍耐力があれば、パーリ語文法未修の学生や他分野の学生の出席も歓迎する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21222412
GHS-AS6C01L1
上座部仏教文献講読(2)
馬場 紀寿
A1 A2
月曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
本講義では、20世紀の先行研究を批判的に検討しつつ、それに並行して、最初期の仏教を研究する際の最重要資料の一つとなるパーリ仏典(Vinaya)を取り上げて、その注釈(Samantapāsādikā)、対応する漢訳やサンスクリット写本を参照しつつ講読したい。4月は①講義、5月以降、②講読と③論文をめぐる議論を並行して進める授業となる。
授業の方法
「初期仏教」にかんする①講義、②パーリ文献の講読、③論文をめぐる議論から成る。②と③の場合は毎回発表者がhandoutを準備して翻訳を発表してもらう。
成績評価方法
授業の予習、議論への参加といった平常点による。パーリ語文法既修者には講読の発表を、パーリ語文法未修者には論文にかんする発表を課す。
教科書
パーリ語原典の該当箇所(Vinaya Piṭaka I, Samantapāsādikā V, Pali Text Society)を配布する。 馬場紀寿『初期仏教 ブッダの思想をたどる』(岩波新書)
参考書
馬場紀寿『仏教の正統と異端 パーリ・コスモポリスの成立』(東京大学出版会)
履修上の注意
レポートを提出するならば、パーリ語未修者の参加も歓迎する。