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最終更新日:2024年4月1日

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楚辞『天問』講読

楚辞「天問」の精読と研究
『楚辞』は中国古代の歌謡として『詩経』と並称されるが、『詩経』とは全く異なる独自の個性を持つ。とりわけ「天問」は、神話や歴史についての疑問を延々と連ねる異色作である。伝統的には、作者とされる屈原の憂苦の表現として、多くの注釈が積み重ねられてきたが、近代に入って、神話学や古代史研究の立場からの分析もされている。
この授業では、「天問」の精読を通じて、中国古典の伝統的注釈の理念を理解するとともに、その技法に習熟し、中国古典を自力で理解するための基礎力養成を目指す。あわせて、近代における神話・文学研究の成果を理解し、その特性と限界をも認識して、古典の研究に求められる学的態度を涵養する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21222108
GHS-AS6A01L1
楚辞『天問』講読
谷口 洋
S1 S2
月曜4限
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講義使用言語
日本語/中国語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
第1回(4/11)はガイダンスとする。履修希望者は可能な限り参加すること。授業の趣旨や進め方を説明するほか、受講者の属性・学習歴・関心などを把握し、授業の方針を定める助けとする。質問や要望があれば相談されたい。 第2回(4/18)は、授業で読む『楚辞』のテキストを紹介し、各受講者の分担箇所を決める。 第3回以降数回は、『楚辞』の内容とその注釈史について説明を行い、テキストをどのように読んでゆくかについての大まかな指針を与える。また、古典の世界でもデジタル化は著しいので、それらデジタル資料の使い方とその問題点、紙の本との関係などについても説明する。 5月の適当な時期からは、演習形式で受講生に分担してもらい、実際に作品を読んでゆく。これまで6年度にわたり、冒頭の天地創造や洪水神話に関する部分を読み、禹をはじめとする神話的人物の伝承へと進んできた。問題の錯綜する作品を扱う授業であるから、試行錯誤的に進めることになるだろう。
授業の方法
はじめの数回はガイダンスを兼ねた講義を行い、そののち学生の調査・発表と討論に移行する。数種の伝統的注釈と、現代の注釈を併用し、比較検討しながら読み進めることになる。担当者は資料をあらかじめ提出し、その他の受講者はそれに目を通してから授業に臨むこと。 対面形式*で行うが、事情によりオンラインでの受講を希望する場合は、ハイブリッド形式で対応する。できる限り早く、可能なら第1回授業(4/11)までにメールで相談されたい。 *大学の方針に従い、はじめの3回程度はZoomによるオンライン授業とする。対面授業はおおむね5月の連休明けからになる。
成績評価方法
受講者が少なければ、演習における発表や討論への参加状況で評価するが、それでは十分な評価が難しいと判断される場合は、別にレポートを課すことがある。学期中の適当な時期に方針を定め、授業で伝達する。
教科書
当面必要なものはプリントして配るが、中国の古い時期の文学に関心のある者や、大学院進学を考えている者は、洪興祖『楚辞補注』と朱熹『楚辞集注』くらいは購入してほしい。いずれも中国書専門の書店で手に入る。
参考書
游国恩『天問纂義』 星川清孝『楚辞』(明治書院「新釈漢文大系」) ほか授業で紹介する。
履修上の注意
感染症流行のため、海外への留学や旅行が自由にできない状況が続いていることに鑑み、今年度は中国音での音読に力を入れたい。本文はもとより、注釈についても音読を求める。古典中国語のリズムを体得する意味もあるし、中国語の音韻に関する議論が出てくることもある。可能なら、ごく簡単な指示は中国語で行いたい。 ただし、中国語を修得していない者も希望があれば受け入れる。その場合は漢文訓読でも対応できる資料を用意するので、履修を希望する場合は、第1回の授業に出席するか、事前にメールで相談してほしい。 また留学生には、この際日本の漢文訓読を習得してほしい。訓読がわかると、日本の古い資料が理解できるので、研究上非常に有利である。