デジタルゲーム(デジタルコンピュータを用いたゲーム)を伝統的な遊びやゲームと、あるいはまた他のアートやメディアと比べた場合、幾つかの独自性と共通性が見出される。それは「遊び」という観点では、映画やアニメーションとは異なるが、「娯楽」という括りでは、それらと同じかもしれない。また、それは「ゲーム」という観点では、スポーツの試合や将棋と同じかもしれないが、機械との相互作用(インタラクション)に基づく点では、それらと異なる。さらに、それは思想や物語を表現することができる点では「アート」に近いかもしれないが、大量生産・大量消費される工業製品という観点では、むしろ家電や自動車に近い。この講義では以下に示す観点を毎回一つずつ取りあげて考察し、感性的認識や想像力を主題とする美学=感性学にとってデジタルゲームが今日もっともホットな考察対象でありうることを示す。
・遊び
・ゲーム
・メディア
・ルール
・楽しさ
・没入
・インタラクティビティ
・錯覚
・アフォーダンス
・ストーリーテリング
・インターフェース