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最終更新日:2024年3月15日
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先端医療と死生観Ⅱ
脳死と安楽死・尊厳死の推進構造
20世紀後半、日本を含めて世界的に新たな死が「つくられた」。「脳死」である。そして現在、新たな死が「つくられつつある」。「安楽死・尊厳死」である。しかも、後者にあっては、「死」の言葉が冠せられないまま量産へと向かっている。日本の場合、「終末期医療」や「人生の最終段階における医療・ケア」という言葉がそれである。その表看板は「医療・ケア」でありながらも、実体は「死」への強制ないしは甘き誘いにほかならないのである。
本講義では、日本と世界のこのような現状に鑑み、脳死と安楽死・尊厳死について多角的に検討し、それらが推進される構造を生権力(ミシェル・フーコーが示した権力概念)と経済財政政策の観点から分析する。そして、以上の考察作業を通じて、「人間にとって死とは何か」「人間の尊厳とは何か」を探究する契機を獲得する。
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