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最終更新日:2024年3月15日

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先端医療と死生観Ⅱ

脳死と安楽死・尊厳死の推進構造
 20世紀後半、日本を含めて世界的に新たな死が「つくられた」。「脳死」である。そして現在、新たな死が「つくられつつある」。「安楽死・尊厳死」である。しかも、後者にあっては、「死」の言葉が冠せられないまま量産へと向かっている。日本の場合、「終末期医療」や「人生の最終段階における医療・ケア」という言葉がそれである。その表看板は「医療・ケア」でありながらも、実体は「死」への強制ないしは甘き誘いにほかならないのである。
 本講義では、日本と世界のこのような現状に鑑み、脳死と安楽死・尊厳死について多角的に検討し、それらが推進される構造を生権力(ミシェル・フーコーが示した権力概念)と経済財政政策の観点から分析する。そして、以上の考察作業を通じて、「人間にとって死とは何か」「人間の尊厳とは何か」を探究する契機を獲得する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21200072
GHS-XX6A01L1
先端医療と死生観Ⅱ
小松 美彦
S1 S2
金曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
 次の順序で議論を拡張・深化させていく予定である。 (1)脳死に関する基本事項の確認 (2)脳死の多角的検討 (3)安楽死・尊厳死をめぐる基本事項の確認 (4)安楽死・尊厳死の多面的検討 (5)私たちの思考の問いなおしーー自己決定権・代理決定 (6)推進構造の分析Ⅰーー経済財政政策 (7)推進構造の分析Ⅱーー生権力 (8)「人間の尊厳」とは何か
授業の方法
オンラインでの講義形式をとる。 教科書は使用せず、技術的に可能であれば資料コピーやレジュメを配布する。 技術的に可能であれば、映像資料も多く用いる。 参考文献は適宜紹介する。
成績評価方法
 開講講義(ガイダンス)時に行うアンケート調査の提出を条件として、原則的には〈学期末レポート100%〉で評価する。ただし、授業回数を満たすために、中間レポートを課す可能性がある。
教科書
使用しない。
参考書
児玉真美『死の自己決定権のゆくえ』(大月書店、2013年)。 小泉義之『病いの哲学』(ちくま新書、2006年) 小松美彦『脳死・臓器移植の本当の話』(PHP新書、2004年)。 小松美彦『生権力の歴史−-脳死・尊厳死・人間の尊厳をめぐって』(青土社、2012年)。
履修上の注意
以上はあくまでも計画概要であり、授業の順序や細部に関しては変更もありうる。 4月24日(金)からオンラインによって開始する予定である。 受講希望者は開講講義(ガイダンス)に必ず出席すること。 文学部・人文社会系研究科の方針で、開講日は4月24日(金)に変更された。注意されたい。
その他
紹介した参考文献などを積極的に読むことが望まれる。