本演習は今まで、シリーズ『死生学』全5巻(2012年度)、アリエス『死を前にした人間』、ゴーラー『死と悲しみの社会学』、キューブラー=ロス『死ぬ瞬間』、加藤周一ほか『日本人の死生観』、エルツ「死の宗教社会学」(2013年度)、ニーメイアー『喪失と悲嘆の心理療法』、樽川典子『喪失と生存の社会学』、デーケン『新版 死とどう向き合うか』、シュナイドマン『シュナイドマンの自殺学』、新谷尚紀『お葬式』(2014年度)、清水哲郎『ケア従事者のための死生学』、平山正実『死生学とはなにか』、石丸昌彦『死生学入門』、岸本英夫『生と死』、竹内整一『花びらは散る 花は散らない』、島薗進『日本人の死生観を読む』、森岡正博『生者と死者をつなぐ』(2015年度)、ジャンケレビッチ『死』、フランクル『死と愛』、宇都宮輝夫『生と死を考える』、澤井敦・有松賢『死別の社会学』、高橋祥友『自殺予防』(2016年度)、ベッカー『死の拒絶』、門林道子『生きる力の源に―がん闘病記の社会学』、山本俊一『死生学のすすめ』、高橋聡美『グリーフケア』(2017年度)、ボードリヤール『象徴交換と死』、リフトン『ヒロシマを生き抜く』、カステンバウム『死ぬ瞬間の心理』、メイヤロフ『ケアの本質』(2018年度)、ケーガン『「死」とは何か?』、岩崎大『死生学』、大林雅之『生命の問い』、高橋隆雄『生命・環境・ケア』、島薗進『ともに悲嘆を生きる―グリーフケアの歴史と文化』(2019年度)を講読してきた。本年度は比較的最近出版された書を主対象として、以下の5冊を読みたいと考えている。
ハンス・ヨーナス、細見和之ほか訳『生命の哲学―有機体と自由』、法政大学出版会、2008。
ドイツ連邦議会審議会答申、松田純監訳『人間の尊厳と遺伝子情報―現代医療の法と倫理(上)』、『受精卵診断と生命政策の合意形成―現代医療の法と倫理(下)』、知泉書院、2006。
安藤泰至編『「いのちの思想」を掘り起こす―生命倫理の再生に向けて』、岩波書店、2011。
川島大輔・近藤恵編『はじめての死生心理学―現代社会において,死とともに生きる』、新曜社、2016。
ロバート・リフトン、渡辺牧ほか訳『現代(いま)、死にふれて生きる―精神分析から自己形成パラダイムへ』、有信堂、1989。
講読する書は多方面に及ぶが、現代的な諸問題に対面する中で、死生学という領域が如何なる視点と方法論を開拓しようとしているかを考えてゆくのが基本的な目的である。