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最終更新日:2024年4月22日

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比較教育学概論

比較教育学概論
本講義の目的は、比較教育学の目的、発展経緯、理論、方法、テーマについて理解し、比較教育学のテーマに関わる学校のフィールドワークや国際データの検討、ゲストスピーカーの講義と授業内討論を通じて学生が比較教育学の知識と方法論を習得することである。
講義は教育社会学を専攻する三名の教員が担当し、それぞれが専門とする研究領域やフィールド、地域(アメリカ/アジア諸国)、教育段階(幼児・初等教育/高等教育)、焦点(政策/実践)を紹介する。グローバリゼーションの進展の中で、比較教育学における研究テーマや分析視角の多様化が進んでいることについて理解を深めてもらいたい。
具体的には、比較教育学に含まれる以下の研究領域を取り上げる。①文化的マイノリティ、社会的格差と社会的公正、教育制度、学校文化、学力、教育病理、教育改革や海外からのモデルの借用、といった具体的テーマに関する国際比較、②人の国際移動に伴う教育の多文化化と移民、難民、外国人等の生徒の学力保障、③途上国における教育開発、21世紀に向けた教育の新たなアプローチ、グローバル化と教育の関係、の3領域である。
なお、この授業科目は、教職課程の「教科に関する科目((社)地理学、(公)社会学)」に該当する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
09203103
FED-SO3201L1
比較教育学概論
額賀 美紗子
S1
木曜3限、木曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教育学部
授業計画
第一週(4/9・担当:恒吉)イントロダクション 本講義はオンライン講義として作成されている。比較教育学研究は、グローバル化が進み、また、日本社会内においても外国人児童生徒が増えている中で、一つの社会・地域のみを見ていては、その社会・地域さえも理解できない時代になっていることを我々に問題提起している。本講義では、教育とは何か、学校とは何か、国を越えてそれを見ることの意義は何か、社会的弱者にとって学校が果たす役割は何なのか等の教育を考えるにあたって根源的な問いを掲げながら、「社会化」「社会的規範」「逸脱」「アイデンティティ」等の社会学的概念を手掛かりに、国を越えた教育の意味、それを比較する意味について考える。学校の映像等を用いる。 第二週(4/16・担当:恒吉)グローバル・アジェンダ 今日、世界的に教育改革ばやりであり、比較教育学の一つの研究領域である教育実践や教育政策のトランスファー研究、借用研究がグローバルに展開されている。そうした動きの中の日本の教育は、海外においてどのようにその「先進性」が評価され、何が「後進性」とされてきたのか。国際的に見た日本の強さと課題等について、国際比較の視点を生かしながら考える。さらに、現在世界的に起きている新型コロナウイルスへの対応として教育で起きていること(学校休校、授業・講義のオンライン化)を例に、第一週目に考えた、「学校」「教育」とは何かについて考える。 第三週(4/23担当:恒吉)比較教育学的視点から見た日本の学校 日本の学校を手掛かりに、その可能性や課題等を考える材料として、日本や他国の学校の映像を使って考える。前の週までに習った、比較教育学的に見た日本の学校の強さと課題について、それぞれの社会・文化的文脈に位置付けながら、比較分析をする。この週のテーマに関連したゲスト・スピーカーに参加していただくことを考えている。次の週での日本社会・学校の中の異質な条件を持つ子供たちの教育を考える基盤作りともなる。 第四週(4/30・担当:額賀) 移民教育・多文化教育の国際比較① グローバリゼーションやトランスナショナリズムという概念について学び、そうした現代の超国家的現象が既存の学校教育につきつけている課題について考える。この30年間に起こっている日本社会の多文化化、多民族化状況を概観し、日本の学校に増える移民的背景をもつ子どもたち(「外国につながる子ども」「外国ルーツの子ども」などとも呼ばれる)が経験する数々の制度的・文化的障壁について理解を深める。また、新型コロナウィルスの拡大とグローバリゼーションの関係について考え、それが移民をはじめとするマイノリティの子どもたちの教育と生活に与える影響について議論する。 (学事歴により5月7日は休講) 第五週(5/14・担当:額賀)移民教育・多文化教育の国際比較② 世界的な移民の増加を受けて、各国の教育現場ではどのような困難が生じ、どのような対応策が取られているのか。前回の授業を踏まえ、前半は海外の日本人学校や国内の外国人学校など、トランスナショナルな教育の進展を紹介する。ゲストスピーカーとして国内の中華学校の先生を招き、日本社会における外国人学校の意義を検討する。後半は、移民生徒の学力や教育政策に関する各国のデータを検討する。各国で提唱されてきた多文化主義・多文化教育について学び、国際比較の視点からマイノリティを包摂する教育の可能性と課題について考える。 第六週 (5/21・担当:北村)比較教育学の理論的・思想的・実践的な変遷 比較教育学が理論的・思想的・実践的にどのように発展してきたのかについて、国内外の研究状況を踏まえながら学ぶ。 第七週(5/28・担当:北村)比較教育学の国際的な視点からの捉え直し 「比較教育学を国際的な視点から考える」というテーマのもと、比較教育学の可能性と課題、そしてアジア諸国や途上国における比較教育学のあり方について考える。
授業の方法
講義とディスカッションを組み合わせる
成績評価方法
三人の担当教員が出す授業内課題の総合点
教科書
特に指定しない
参考書
随時指定する
履修上の注意
二時間続きの講義であるため、両方とも受講できることが履修条件となる。グループ・ディスカッションに積極的に参加することを求める。
その他
【履修登録上の注意】 この科目は「比較教育社会学概論」である。比較教育社会学コースの学生は必ずこのコードで履修登録を行うこと。 ※Zoomパスワードは *****